【法令共通】消防用設備等の設置・維持命令【過去問】

火災報知器とか設置せなアカンって消防法で決まってるけど、それガン無視して未設置のままにしてる人とか‥どうするん?
もちろん消防法上で、消防長または消防署長は設置命令および維持命令の「命令」ができるって決まっていますよ!
この「命令」も、なかなか素直に聞き入れてくれへん「防火対象物の関係者で “権原を有する者”」がいらっしゃいますけど。
罰則もありますんで、この辺り消防設備士試験のためだけでなく社会の共通認識として頭に入れておきましょう!

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管理人は消防法に基づく消防設備士および危険物取扱者の免状を共に全類取得している為、消防関係法令(共通)もゴテンクスのギャラクティカドーナツくらいマスターしています。

以下の話を覚えておけば、少なくとも消防設備士試験の類題は満点でしょう。

消防用設備等の設置命令と維持命令とは

消防長または消防署長は防火対象物の消防用設備等が設備等技術基準に従って設置・維持されていないと認めるときは、設備等技術基準に従って設置または維持のために必要な措置をなすべきことを命ずることができます。

参考消防法 第17条の4〔消防用設備等又は特殊消防用設備等の設置維持命令〕

消防用設備等の設置命令と維持命令は、当該防火対象物の関係者で「権原を有する者」に対してなされます。

消防用設備等又は特殊消防用設備等の設置命令違反

違反条文 第 17 条の 4第 1 項
違反概要 消防用設備等又は特殊消防用設備等の設置命令に従わなかった場合
罰則規定 第 41 条、第 45 条第 2 号
罰則内容 1 年以下の懲役と100 万円以下の罰金、両罰規定:3000 万円以下の罰金

消防用設備等未設置に対する命令に従わなかった場合、特に両罰規定における法人(役員や従業員)への罰則が重いです。

特に「重大違反」として扱われるスプリンクラー設備や屋内・屋外消火栓および自動火災報知設備の未設置については刑事告発の事例も多々ある為、早めの是正措置を実施しましょう。

【補足】両罰規定とは

両罰規定とは

法人に所属する役員や従業員らが、法人の業務に関連して違法な行為をした場合、個人だけでなく、法人も併せて罰せられる規定のこと。
ここで紹介する罰則については主に以下の消防法 第45条〔両罰規定〕が適用されており、後述する命令違反に適用される両罰規定については最大1億円もの罰金刑に処される可能性もあるのです。

法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。

参考消防法 第45条〔両罰規定〕

その他の罰則については、以下の「【※最大1億円の罰金】防火管理者に責任は?消防法上の罰則について」をご覧下さいませ。

消防設備士試験の過去問(法令共通)

Q質問

消防用設備等の設置または維持に関する命令が発せられる事由として、消防法令上、正しいものは次のうちどれか。(乙6滋賀)

A回答

1 消防用設備等が技術上の基準に ❝従わずに新設された場合❞ に命令が発せられるので誤り。

2 防火対象物の消防用設備等が設備等技術基準に従って設置され、または維持されていないと認めるときに命令が発せられるので誤り。

4 消防用設備等の ❝すべて❞ ではなく、任意設置の消防用設備等については命令の対象外となるので誤り。

よって3の「消防用設備等が技術上の基準に従って設置工事が行われたが、検査を受けずに使用(≒未設置)状態になっている場合」に消防法 第 17 条の 4の命令が発せられます。

Q質問

消防用設備等の設置または維持に関する命令について、次の文中の[  ]に当てはまる語句の組合せとして消防法令上、正しいものはどれか。(乙6奈良)

「[ ア ]は、防火対象物における消防用設備等が[ イ ]に従って設置され、または維持されていないと認めるときは、当該防火対象物の関係者で[ ウ ]に対し、[ イ ]に従ってこれを設置すべきこと、またはその維持のため、必要な措置をなすべきことを命ずることができる。

 

[ ア ]

[ イ ]

[ ウ ]

1

消防長または消防署長

設備等技術基準

権原を有する者

2

都道府県知事

設備等設置維持計画

防火管理者

3

消防長または消防署長

設備等設置維持計画

権原を有する者

4

都道府県知事

設備等技術基準

防火管理者

A回答

設置・維持命令は「消防長または消防署長は防火対象物の消防用設備等が設備等技術基準に従って設置され、または維持されていないと認めるときは、当該防火対象物の関係者で、権原を有する者に対して発せられます。

Q質問

消防用設備等の設置および維持に関する命令についての記述として消防法令上、誤っているものは次のうちどれか。(乙3奈良)

A回答

設置・維持命令は「当該防火対象物の関係者で、権原を有する者」に対して発せられます。

「権原を有する関係者」とは‥防火対象物の所有者(オーナー)、管理者、占有者のうち命令の内容を法律上正当に履行できる者を指します。

他の選択肢となっていた「命令は任意に設置した消防用設備等までは及ばない」ことや、「消防用設備等の設置義務がある防火対象物に消防用設備等の一部が設置されていない場合であっても命令の対象となる」ことも設置・維持命令において重要な内容ですので頭に刷り込んでおきましょう。

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まとめ

  • 消防長または消防署長は防火対象物の消防用設備等が設備等技術基準に従って設置・維持されていないと認めるときは、設備等技術基準に従って設置または維持のために必要な措置をなすべきことを命ずることができた。
  • 消防用設備等の設置命令と維持命令は、当該防火対象物の関係者で「権原を有する者」に対してなされた。
  • 命令は任意に設置した消防用設備等までは及ばず、消防用設備等の設置義務がある防火対象物に消防用設備等の一部が設置されていない場合であっても命令の対象となった。