【法令共通】消防法上における無窓階(むそうかい)とは?【過去問】

消防法の「無窓階」とは

消防法の「無窓階」とは、避難上または消火活動上有効な開口部を有しない階を指します。

参考消防法施行令 第10条〔消火器具に関する基準〕

取り急ぎ消防設備士の試験に合格したい方であれば、この無窓階の定義だけ覚えて下の過去問にお進み下さい。

ホンマに当ページでは『避難上または消火活動上有効な開口部を有しない階』って言葉だけ、これだけは覚えて帰って下さい!
何度でも言います‥『 “避難上” または “消火活動上” 有効な開口部を有しない階 “避難上” または “消火活動上” 有効な開口‥』

この無窓階の定義に関わる “有効な開口部” かどうかの判定基準は、大きく10階以下と11階以上の場合で異なります。

無窓階の判定基準

以下の条件に基づき、建物の各フロアが無窓階になるかどうかを判定します。

  1. 開口部の大きさ
  2. 開口部の数
  3. 床面積に対する開口部の割合
  4. 開口部が面する道または空き地の幅(※10階以下のみ)
  5. 開口部の位置(高さ)
  6. 開口部の種類(窓ガラスの種類や厚み等)
  7. 開口部の使われ方

まず10階以下における無窓階判定の計算基準について見ていきましょう。

10階以下における無窓階判定の計算例

10階以下の場合は以下の開口部を有効な開口部と見なして無窓階判定の計算をします。

  1. 直径50㎝以上の円が内接できる開口部
  2. 直径1m以上の円が内接できる開口部(※2つ以上必要)

上記の有効な開口部の面積を、その階の床面積の値で割った値が1/30を下回っていた場合は無窓階判定となります。

注意

ただし10階以下の場合は幅員1m以上の道路または空き地に面していなければ有効な開口部として認められないので注意が必要です。

11階以上における無窓階判定の計算例

11階以上の場合は以下の開口部を有効な開口部と見なして無窓階判定の計算をします。

直径50㎝以上の円が内接できる開口部

上記の有効な開口部の面積を、その階の床面積の値で割った値が1/30を下回っていた場合は無窓階判定となります。

参考消防法施行規則 第5条の3〔避難上又は消火活動上有効な開口部を有しない階〕

なんで11階以上の開口部の方が10階以下より小さくてもエエの⁉
11階以上は消防はしご車による窓からの救助が想定し難いのも理由の一つでしょう。

開口部の位置

あまり高い箇所に開口部があっても避難上または消火活動上有効とはなり得にくい為、高さの制限も設けられています。

ちなみに踏み台の構造は以下の通り規定されています。

  1. 不燃材料で造られ、かつ堅固な構造であること。
  2. 開口部のある壁面と隙間がなく、床に固定されていること。
  3. 高さは概ね30cm以内、奥行きは30cm以上、幅は開口部の幅以上であること。
  4. 踏台の上端から開口部の下端まで1.2m以内であること。
  5. 避難上支障のないこと。

参考無窓階の取扱い_川崎市

補足

ちなみに消防法施行規則 第4条の2の2〔避難上有効な開口部〕の開口部は避難上のみ考慮されている開口部である為、床面から開口部の下端までの高さが15㎝以内でなければならないと規定されています。

無窓階の判定がされる際は消防法施行規則 第5条の3で、防火対象物点検や避難器具の設置に係る場合は消防法施行規則 第4条の2の2の15cmが床面から開口部の下端までの高さ基準となります!

窓の種類

窓のガラスの種類や厚み、開口部の種類によっても有効な開口部として取り扱えるかどうか異なります。

参考無窓階の取扱い_川崎市

FIX窓とは

FIX窓とは固定窓のことを意味します。簡単に割って避難や消火活動ができるFIX窓については有効な開口部として計算できますが、頑丈なFIX窓は認められないことが表より分かります。

開口部の使われ方

例えば営業時間中(人の出入りがある)は常時開放している重量シャッターであれば有効な開口部として認められる場合があります。

シャッターの水圧開放装置

重量シャッターを消防隊の方が外から開ける為の装置として「水圧開放装置」があります。

街中にありますので、もし見かけられた際は『あっ!有効な開口部として無窓階判定を免れる為の設備だ!』と思って下さいませ。

参考水圧開放シャッター非常電源の点検をしないと開放不可になり危険!

消防設備士試験の過去問(法令共通)

Q質問
消防法令上、無窓階の定義として正しいものは次のうちどれ?
A回答
消防法上の無窓階の定義は以下の通りです。

迷わずに回答できましたか?
もし、まだ自信がないのであれば繰り返し「過去問テスト」等を使って類題を解くことをオススメします!

消防設備士「過去問テスト」とは

消防設備士「過去問テスト」は、その名の通り“過去に出た問題” のテストであり、ブログでお馴染みの管理人が過去問に関する情報収集を積み重ね、その中からピックアップして過去問ベースの模擬試験を作成したものです。

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まとめ

  • 消防法の「無窓階」とは、避難上または消火活動上有効な開口部を有しない階を意味していた。
  • 無窓階の定義に関わる “有効な開口部” かどうかの判定基準は、大きく10階以下と11階以上の場合で異なった。
  • 近年は正味の無窓階の定義について消防設備士の試験で出題されることは過去問の情報をみるに皆無っぽかった。