【法令共通】検定対象機械器具等の型式承認と型式適合検定【過去問】

検定対象機械器具等って何!?
火器付機甲鎧昆虫人間くらい長くて噛みそうやわ。
検定対象機械器具等は‥ちゃんとしたモノ使わんと危ない消防用設備等について「型式承認」と「型式適合検定」って二重チェックしようって検定の対象になる機械器具や設備のことです。
だから例えば中国で適当に破格で作ったモノだと、この「型式承認」と「型式適合検定」って二重チェックをクリアできない‥つまり日本では使えないって話ですな。
この検定対象機械器具等における「型式承認」と「型式適合検定」の二重チェックからなる検定についても消防設備士試験に頻出ですから、ざっくりポイント抑えつつ後半は過去問にも触れながら解説していきます!

ブログ著者の紹介

管理人は消防法に基づく消防設備士および危険物取扱者の免状を共に全類取得している為、消防関係法令(共通)も世界のナベアツの3の倍数だけアホになるネタくらいマスターしています。

検定とは

検定とは消防の用に供する機械器具等のうち、一定の形状・構造・材質・成分および性能を有しなければ火災の予防上危険である検定対象機械器具等について、あらかじめ検査をするものです。

参考消防法 第21条の2〔検定〕

検定は二重チェックとなっており「型式承認」⇒「型式適合検定」の順に行われます。

「型式承認」と「型式適合検定」の違い

型式承認は、日本消防検定協会(または総務大臣の許可を受けた検定機関)による型式試験の結果が「良」であった検定対象機械器具等についてメーカーが総務大臣(総務省消防庁)宛に型式承認を申請して型式番号を付与してもらうものです。

型式適合検定は総務大臣による型式承認の後、日本消防検定協会(または総務大臣の許可を受けた検定機関)の型式適合検定を受けて合格した検定対象機械器具等にのみ検定合格証が付される流れとなっています。

検定合格証

検定合格証は型式適合検定」に合格した検定対象機械器具等に付されるマークで、この検定合格証が無ければ販売・陳列および⼯事使⽤できません。

参考消防法 第21条の9〔合格の表示等〕

検定合格証で規制されていること3つ

  1. 販売
  2. 陳列(販売の目的)
  3. 工事の使用(設置・変更または修理の請負に係るもの)

「検定制度」と「自主表示制度」の違い

「検定制度」と「自主表示制度」は、どちらも法令で定める表⽰を付したものでなければ販売・陳列および⼯事使⽤等できない消防⽤機械器具等に係る販売規制ですが、以下の違いがあります。

  • 検定制度‥⼀定の性能等を有することについて、あらかじめ第三者による検査を受ける必要性の⾼いものが対象となっている。
  • 自主表示制度‥⼀定の性能等を有することについて、必ずしもあらかじめ第三者による検査の必要がなく、製造業者等の責任において⼀定の性能等の確保を図ることとして差し⽀えないと認めるものが対象となっている。

区分 検定対象機械器具等 ⾃主表⽰対象機械器具等
根拠条⽂ 消防法第21条の2 消防法第21条の16の2
対象品⽬ 12品⽬ 6品⽬
制度の
概要
  • 総務⼤⾂へ申請→承認および型式番号の付与
  • ⽇本消防検定協会⼜は登録検定機関は、製品が型式承認を受けた型式に適合していることを検定し、合格の表⽰を付す
  • 合格表⽰が付されたものでなければ、販売や陳列、⼯事使⽤等は禁⽌。
  • 総務⼤⾂へ届出→届出番号の付与
  • 製造業者⼜は輸⼊事業者は、製品が規格省令に適合
    していることを検査し、適合している旨の表⽰を付
  • 適合表⽰が付されたものでなければ、販売や陳列、
    ⼯事使⽤等は禁⽌。
実施主体 ⽇本消防検定協会または登録検定機関 製造事業者または輸⼊事業者

参考⽇本における消防機器の認証制度

消防用設備機器の「認定制度」って

消防用設備等には検定&自主表示制度の他「消防用設備等」または「これらの部分」である機械器具が国の定める設備等技術基準の全部または一部に適合していることの「認定」を行い、適合している個々の製品には「認定証票」を交付する「認定制度」もあります。

認定証票の表示が付された消防用設備等は、消防法施行規則 第31条の3の規定により設備等技術基準に適合したものと見なされ、消防機関が個別に性能確認試験を行う必要がなくなります。

参考(一財)日本消防設備安全センター垂直式救助袋の消防検査

漏電火災警報器の自主表示制度化

以前、某政令指定都市消防局元所轄消防署の予防係員の方(※現在、栄転されて局で活躍されています。)から以下のLINEを頂きました。

予防係員さま

漏電火災警報器の自主表示マーク移行

青木さん、お仕事中にすいません。
漏電火災警報器の自主表示マーク移行が令和9年に期限を迎えるにあたって、漏電火災警報器の旧マーク(検定マーク)と新マーク(自主表示マーク)が書かれているところの写真って持ってらっしゃいませんか?
機器のここを見たら分かるってのを周知したくて探していますm(__)m
あったらで問題ありません。

消防法の改正により平成26年4月1日より漏電火災警報器は「検定」→「自主表示」へ移行しました。

以下の通り、これまで検定合格証が付されていたものが自主表示マークに変更されています。

漏電火災警報器の受信機

漏電火災警報器の変流器

参考漏電火災警報器が鳴ったら

ちなみに昔の検定品でも現行規格に適合している(型式失効していない)機器であれば、新規設置・継続使用に制限はないです。
設置後一定期間を経過した機器については、自主表示品に更新することが望ましい…って(一社)日本火災報知機工業会さんが仰ってます。

参考漏電火災から家財を守ります!リーフレット

「型式失効」とは

型式失効とは、技術上の規格が変更されて既に型式承認を受けた検定対象機械器具等の型式に係る形状等が技術上の規格に適合しないと認められる際、総務大臣によって型式承認の効力を失わせられること。

参考型式失効状況消防法 第21条の5〔技術上の規格の変更に係る型式承認の失効〕

型式失効した検定対象機械器具等は設置されていないことと同じ扱いとなる為、早急に改修工事をしなければなりません。

消防設備士試験の過去問(法令共通)

Q質問

消防の用に供する機械器具等の検定について消防法令上、正しいものは次のうちどれか。(甲2奈良)

A回答

1. 正しい

2. 「型式承認を受けたものである旨の表示」ではなく、「型式適合検定に合格した検定対象機械器具等に付される表示」が検定合格証である。よって誤り。

3. 型式適合検定とは、型式承認を受けている検定対象機械器具等の形状等が型式に係る形状等に適合しているかどうかについて総務省令で定める方法により行う検定をいう。よって誤り。

4. 「型式承認を受けたものである旨の表示」ではなく、「型式適合検定に合格した検定対象機械器具等に付される表示」が検定合格証である。よって誤り。

Q質問

消防の用に供する機械器具等の検定に関する次の記述のうち消防法令上、正しいものの組合せはどれか。(乙4奈良)

ア 検定対象機械器具等が型式承認を受けたものであり、かつ型式適合検定に合格したものである旨の表示が付されているものでなければ販売の目的で陳列してはならない。

イ 検定対象機械器具等は型式承認を受けたものであり、かつ型式適合検定に合格したものである旨の表示が付されているものでなければ販売してはならない。

ウ 検定対象機械器具等のうち消防の用に供する機械器具または設備は型式承認を受けたものであり、かつ型式適合検定に合格したものである旨の表示が付されているものでなければ、その設置の請負に係る工事に使用してはならない。

A回答

消防の用に供する機械器具等について、以下の3つが規制されています。

検定合格証で規制されていること3つ

  1. 販売
  2. 陳列(販売の目的)
  3. 工事の使用(設置・変更または修理の請負に係るもの)

よって上記の設問におけるア、イ、ウの記述はすべて正しいです。

工事の使用(設置・変更または修理の請負に係るもの)が規制されている検定対象機械器具等は、消防の用に供する機械器具または設備のみとされていることも試験中に混乱しない様、頭に入れておきましょう。

迷わずに回答できましたか?
もし、まだ自信がないのであれば繰り返し「過去問テスト」等を使って類題を解くことをオススメします!

消防設備士「過去問テスト」とは

消防設備士「過去問テスト」は、その名の通り“過去に出た問題” のテストであり、ブログでお馴染みの管理人が過去問に関する情報収集を積み重ね、その中からピックアップして過去問ベースの模擬試験を作成したものです。

参考青木防災㈱【公式】🧯note

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まとめ

  • 検定とは消防の用に供する機械器具等のうち、一定の形状・構造・材質・成分および性能を有しなければ火災の予防上危険である検定対象機械器具等について、あらかじめ検査をするものであった。
  • 型式承認は、日本消防検定協会(または総務大臣の許可を受けた検定機関)による型式試験の結果が「良」であった検定対象機械器具等についてメーカーが総務大臣(総務省消防庁)宛に型式承認を申請して型式番号を付与してもらうものであった。
  • 型式適合検定は総務大臣による型式承認の後、日本消防検定協会(または総務大臣の許可を受けた検定機関)の型式適合検定を受けて合格した検定対象機械器具等にのみ検定合格証が付されるものであった。