防火管理者向け「BOSAIメンバー」機能をリリース

青木防災株式会社(本社:大阪市平野区、代表:青木 誠)は、2021年12月17日に発生した大阪市北区ビル火災(北新地ビル放火殺人事件)の被害を受けて、防火管理者(※1)向けの防火管理業務補助サービスとして「BOSAIメンバー」機能をリリースしました。
(※1)防火管理者とは消防法に基づいて一定の収容人員を超える建物に選任する、防火管理業務の担当者を指します。
BOSAIメンバーに登録(無料)して下さった防火管理者様には、次のサービス3つをご利用頂けます。
- Web上で法定点検の予約および見積作成の依頼
- お客様建物ごとに作成した訓練および機器操作マニュアル動画の閲覧
- 防火管理者向けの補助コンテンツ(ボジョ)閲覧制限の解除
上記のBOSAIメンバー限定サービスの提供により防火管理者の責務である防火管理業務の一部をDX化して負担を軽減し、多忙な防火管理者様が防火管理業務を円滑に行えるようサポートします。
【参考URL】https://aokibosai.net/bosai
防火管理業務の補助サービスが必要な理由
消防法第8条に基づく防火管理者制度ですが、防火管理者を選任するまでは90%以上の割合で達成されています。これは建物使用開始時に所轄消防署の指導が入る為です。
しかし選任された後に防火管理業務が適切に実施されている建物は少なく、例えば防火管理者が担当する防火管理業務の一つである消防訓練の実施率は全体で36.7%に留まっています。
防火管理者に対する所轄消防署の指導が行き届いていないことも実施率が低いことの理由の一つですが、そもそも防火管理者が消防訓練などを適切に実施できる状態に無いことが課題として挙げられます。
防火管理者に選任されるにはの防火管理者講習を修了する必要がありますが、その講習は1~2日の短期間となっています。よって、まず講習を受けるだけで防火管理業務を適切に実施するための知識およびノウハウを習得することは困難な状況にあります。加えて、防火管理者に選任されている者は多くの場合、日常業務と兼任で担当している場合が殆どです。防火管理者は日常業務で多忙な為、防火管理業務が後回しにされている現状があります。
これらの課題に対して青木防災株式会社では「BOSAIメンバー」機能によって防火管理業務の一部をDX化することで、半ば形骸化しつつあった防火管理者制度に命を吹き込みます。
消防用設備等の使い方を知っている「誰か一人」を作る
昭和47年に難波にて死者118名を出した「千日デパート火災」では『斜降式救助袋が設置されていたが、誰も使い方を知らなかった。』ことが原因で本来助かるはずであった人がなくなってしまったという悲惨な実態が報告されています。
青木防災株式会社を含む消防設備業者は火災発生時の被害を軽減するための消防用設備等つまりハード面における設計・施工およびメンテナンスを主な生業としています。しかし消防法に基づく強制力によってハード面の施策が進み、消防用設備等が設置されていることが当たり前になっても、その使い方が認知されていなければ、ただの高価で邪魔な飾りにしかなりません。
千日デパート火災現場にて、救助袋が設置されていたフロアに「誰か一人」でも、その使い方が分かれば当該フロアにいた多くの人の命が助かっていたでしょう。その「誰か一人」になり得るのが防火管理者であると思っています。もちろん理想は全員が救助袋を含む消防用設備等の使い方が分かる状態ですが、まず建物の防火管理業務を担当しており、消防用設備等の維持管理についても責務を負っている防火管理者が「誰か一人」に一番近い立場でしょう。
青木防災株式会社では消防用設備等の設計・施工およびメンテナンスというハード面の維持管理だけでなく、防火管理業務つまりソフト面も包括してサポートすることで、より安心・安全な建物状況を防火管理者様と共に作っていきます。
大阪市北区ビル火災を踏まえた防火管理業務に関する消防署の指導強化
先般、総務省消防庁より「大阪市北区ビル火災を踏まえた今後の防火・避難対策等に関する検討会」について、階段が一つしか設けられていないビルにおいて今後 “重点的な立入検査および消防法令違反是正措置” を徹底すると報告されました。
その具体的な対策項目として “防火対象物点検(※2)報告の徹底を図る” ことが謳われています。防火対象物点検は、業者の防火対象物点検資格者と建物に選任された防火管理者が二人三脚となって防火管理業務が適切に実施されているかを確認する点検です。
(※2)消防法第8条の2の2に基づき、一定の防火対象物について専門知識を有する防火対象物点検資格者によって点検を実施および報告する制度。消防用設備点検がハード面の点検であるのに対し、防火対象物点検は防火管理者を選任しているかや消防訓練などを実施しているか等のソフト面の点検である。
よって、これまで以上に青木防災株式会社を含む専門業者が防火管理者と密に関わっていくことが求めらます。所轄消防署と防火管理者の間に入って防火管理業務をDX化した「BOSAIメンバー」機能を提供することで、防火管理業務を推進する上で両者のパートナーとなって負担を軽減していきます。また防火対象物点検の実施率が50%と低水準に留まっている業界課題もあり、それを解決する一助となります。
今後の展開
BOSAIメンバー登録者を既存お客様に呼びかけることで、防火管理者同士の横の繋がりを作っていきます。また間も無く、ぴったりサービスを用いた消防関係書類の届出が電子申請化されて本格運用されることを見越して、防火管理者が自身で消防関係書類を届け出る際のマニュアルを作成して発信していきます。世の中の情勢をみて、より防火管理者が係る防火管理業務の生産性を高めるためのサービスを提供し続けます。
担当者コメント
青木防災株式会社 マーケティング部「Webマーケティング」担当:青木 俊輔 コメント
長らく防火管理者制度は、その選任までは上手く機能していたものの、肝心の選任されてからの防火管理業務がされておらず形骸化した状態で放置され続けていました。今回リリースした防火管理者向けの補助サービス「BOSAIメンバー」の機能をフル活用して、上述した防火管理者制度の課題を解決することで防火管理者制度に命を吹き込みたいと本気で思っています。それを実現するためには青木防災株式会社の一担当者や業者が孤軍奮闘するのではなく、そこで働く消防設備士(※3)が所轄消防署の消防士の皆様や建物の防火管理者様とタッグを組むことが不可欠です。
(※3)消防法に基づく国家資格「消防設備士」の免状保有者で、消防用設備等の工事・整備および点検を独占業務として行う者。
防火管理はハード面(消防用設備等)だけを規制による強制力で設置しても限定的にしか機能せず、ソフト面(例えば消防訓練などで設備の使い方を知ること)と両輪で実施することで有事の際に最大限の効果が発揮されるものです。このハード面とソフト面を両輪で走らせるために防火管理業務のDX化による負担軽減は非常に有効な施策と思っています。これからは「防火管理者が選任されているのが当たり前かつ防火管理業務が適切にされているのも当たり前」である、そんな世の中を実現して次の世代にバトンを渡したいです。
青木防災株式会社について
消防法で規定された国家資格「消防設備士」に基づき、消防用設備等の設計・施工および点検を行う大阪市の企業です。
【会社概要】
- 社名:青木防災株式会社
- 創業 / 設立:1961年 / 1973年
- 所在地:大阪府大阪市平野区平野本町五丁目6-15
- TEL / FAX:06-6795-2664 / 06-6792-3550
- 代表取締役:青木誠
- 従業員数:14名
- 資本金:10,000,000円
- 年商:第49期 令和2年度 実績2億4000万円
- 事業内容:消防設備の施工・保守管理 防災用品の販売
- 許可番号:大阪府知事 第143311号 (般-27) 消防施設工事業
- 主な取引先:工務店・マンション管理組合・メーカー・各種事業者など主要取扱メーカーパナソニック株式会社、モリタ宮田工業株式会社、ヤマトプロテック株式会社、日本ドライケミカル株式会社、ホーチキ株式会社、オリロー株式会社、TOA株式会社、ニッタン株式会社、株式会社初田製作所
- 保有資格:消防設備士 甲種特類・1~5類、消防設備士 乙種6・7類、第1種消防設備点検資格者、第2種消防設備点検資格者、危険物取扱者 甲種、危険物取扱者 乙種1~6類、第一種電気工事士、第二種電気工事士、第三種電気主任技術者、工事担任者(AI・DD総合種)、特定建築物定期調査員、建築設備定期調査員、防火設備定期検査員、ECO検定、毒物劇物取扱者、防火管理者(甲種)、防火対象物点検資格者、防災管理点検資格者、民泊適正管理主任者、自家用発電設備専門技術者