消防人のヒヤリハットに関するブレスト型GDのやり方【交流勉強会】
エェなぁ~♪
今回、青年部の活動として来たる2022年11月17日に大阪消防設備協同組合の青年部メンバーおよび所属もしくは経営されている企業の社員のみが参加できる「交流勉強会」が開催されることが決定しました。
(※第2回目以降は青年部メンバーだけでなく、大阪消防設備協同組合の組合員であれば誰でも参加できるよう門戸が広げられる予定。)
目次
この記事を書いた人
管理人は学生時代に安全工学について履修しており、かつ就職活動を2回(学部生および院生の両方とも)したので多くのGD(グループディスカッション)経験もあり、さらに前職で配属された現場管理オペレーションの部署でも労働安全・衛生に関する研修を受けていた為、今回の交流勉強会の主旨に関わるテーマを学ぶ機会に恵まれていました。
例えば工場や福祉施設の防火管理者さんについては安全工学の基礎やグループディスカッションの進行方法について無縁ではないでしょうから、ここで記す内容にもザッと目を通して頭の片隅にでも置いておいて下さいませ。
大阪消防設備協同組合 青年部の会合
大阪消防設備協同組合の組合員ですら、まず青年部なる集まりがあることすら知らないのが現状でしょうが、この様に2~3ヶ月に一度リアルで集まり消防設備業界を改善する為の取組や情報共有が行われています。
以前、前ブログ “消防検査のあり方に関する検討会2022” でも記した通り、例えば消防検査のやり方について消防署と話したりルールを変更したいのであれば『個人や企業単位ではなく、業界団体で来てもらわないと受け付けられないですね。逆に、そうして頂ければコチラ(大阪市消防局)側も対応可能です。』と明確に大阪市消防局に栄転された消防士の友人にアドバイスを頂きました。
そういった経緯で見事、元から大阪消防設備協同組合の組合員であった青木防災㈱に所属する私が、その強烈なコネによって青年部に潜り込ませて頂くことに成功した挙句に、まず初めて取り組むのが「交流勉強会」の開催となったのです。
交流勉強会のテーマ
前回の大阪消防設備協同組合 青年部の会合で交流勉強会のテーマが「ヒヤリハット・危険防止について(仮)」と大枠が決定していた為、今回は具体的な進行方向などについて話が詰められました。
ちなみに、この交流勉強会の主役は「所属事務所の従業員」なので大阪消防設備協同組合の青年部の役員および顧問で経営者されている社長さん方はGD参加すると威圧感あるってことでグループ外に出されてます。
グループディスカッションの方法
今回、交流勉強会のGDは以下の様な進行になることが決定しました。
step1自己紹介(最年長者から時計回り)
step2役割決め「司会者」「書記」「発表者」
step3GD前提条件「点検に関するヒヤリハット・危険防止」の確認
step4テーマ掘り下げ、ブレスト(アイデア出し)、まとめ時間配分
step5発表
step6他グループ発表の内容についてブレスト
step7発表
step8総括
他のグループの発表内容を自グループに持ち帰って再びブレストし、まとめを再び発表するってのは通常のGDと異なる点です。
ヒヤリハットと事故は区別しよう!
今回のGDテーマであるヒヤリハットなる概念は、安全工学の “あ” の字つまり初めの一歩であり基本中の基本の「ハインリッヒの法則」にて登場します。
「ハインリッヒの法則」とは‥1件の重大事故の背景には29件の軽微な事故があり、さらにその裏には300件のヒヤリハットがあるという労働災害における法則のこと。
よってハインリッヒの法則によれば「ヒヤリハットに関する情報を共有し、根本原因を深堀することで軽微・重大事故発生を未然に防止ための対策を練ることが大事」であるとされています。
そもそも「事故事例を共有すること」と「ヒヤリハットに関する情報を共有すること」は目的および期待される成果が「早期対策」と「根本対策」といった具合で異なることが研究結果より証明されています。
ですから、わざわざハインリッヒの法則にて「ヒヤリハット」なる言葉で分類され。わざわざ個別の定義付けがされているのです。
もしハインリッヒの法則における重大事故の未然防止を命題とするならば、ちゃんと「事故事例」と「ヒヤリハット」を識別して話を進めるられることが重要であると言えるでしょう。
【おまけ】第1回!事故自慢大会
もしヒヤリハットに関するGDではなく、シンプルに面白いだけの事故自慢大会をするならば、以下の様な事故に関する話を知っています。
ここで昨日、青年部の会合後の懇親会で伺った「消防設備士ヤバい事故ランキング」を紹介させて頂きます。(※今となってはギリギリ笑い話にされているレベルのみ)
- 🥇ガス系の配管とスプリンクラー配管を誤接続してサーバールームに大量の水が降り注ぐ
- 🥈大型建物完成時に連結送水管耐圧試験をした際、上階の放水口が開いていて階段が滝に
- 🥉圧力スイッチのコック故障で流水時に超・大型施設のアラーム全館鳴動、街中から苦情
こういった絶対、自分は同じ目に遭いたくない事故を未然に防ぐためにも事故に対して反応するだけでなくヒヤリハットについて情報共有することが大事なのです。
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さらに上述した話が分かりにくい方の為に抽象化→転用で、以下の「不満足なクライアントの苦情」に関する例も紹介させて頂きます。
例:不満足なクライアントの苦情
アメリカ研究所が消費者センターに対して実施した不満足なクライアントに関する苦情の調査結果は以下の通りでした。
不満足なクライアントのうち、わずか4%しか苦情を申し立ててこない。
あなたが耳にする苦情1件の背後には会社に話してこないクライアントが24人いるが、ほかの見込み客やクライアントとは話をしている。
例えば表面化してきた苦情の発信者が少しモンスター・クレーマーっぽい様相であったとして、それだけについて考える(上記の調査結果内容を無視する)と概ね以下の様な話になるでしょう。
これに対し、背後の苦情を言ってこないクライアント24人の存在を調査結果に基づき知っていれば以下の様な対応となるでしょう。
苦情を言ってきた1人と、その背後の24人を識別しておくことで、より根本原因が考えられることに繋がるのです。
氷山の一角しか見ておらず、海面下の氷を識別できていない状況であればタイタニック号よろしく船は沈没するのみ。
交流勉強会に参加すべき理由
消防設備協同組合の青年部が開催する交流勉強会に参加すべき理由は以下の通りです。
- 社外の消防設備士と繋がって実務だけでなく会社全般の知見を輸出入できる
- 社内のネガティブキャンペーンではなく社外と比較する健全な競争ができる
- 社会人になってからアップデートしにくかった研修ベースの教養が得られる
大阪消防設備協同組合の青年部が開催する交流勉強会は消防設備士を含む消防人の視野を広げ、より自身のキャリアアップに有利な経験値を獲得できる場としていきます。
第一回の交流勉強会に参加できるのは消組の青年部の限られた方のみですが、次回から門戸広がる予定ですので皆さま参加される準備をしておいて下さいませ。
㊙ 懇親会も激アツ
昨日の会合の後、懇親会で現在加熱試験器の開発や電子申請の絡みで超絶多忙なアークリード㈱尾阪社長と隣でお話させて頂く大変貴重なお時間頂きました。
(㈱C.A.T赤川さんInstagramストーリーありがとうございます!)
こんな消防設備業界の現役レジェンドと話せる機会まぁ無いので、できれば大阪消防設備協同組合の組合員さんは青年部に加入しないと勿体ないと思いますよ。
その他、質問など御座いましたらボちゃんねる(掲示板)へ投稿、もしくは管理人が運営するLINEオープンチャット「消防設備士Web勉強会」上でご連絡下さいませ。
まとめ
- 来たる2022年11月17日に大阪消防設備協同組合の青年部メンバーおよび所属もしくは経営されている企業の社員のみが参加できる「交流勉強会」が開催された。
- まだ青年部に入って3回目のポッと出な私が今回、主体的に交流勉強会のテーマであるヒヤリハットに関するGDについて取り組んだ。
- GDテーマのヒヤリハットと危険防止について考えるには事故自慢大会ではなく「事故事例」と「ヒヤリハット」を識別して話を進めるられることが重要であった。