【消火器の規格】消火器のホース・ノズルについて徹底解説!【過去問】

消火器って、たまに黒いホースついてないやつあるけど…あれ何でなん!?
あれ「粉末消火器で消火剤の質量が1kg以下のもの」って比較的小さい消火器の場合はホースなくてもエェんですよ。

消火器のホースについて、およびノズルに開閉・切替装置を設けてもよい場合等について消防設備士の試験に実際に出た問題に(過去問)と共に解説していきます!

ブログ著者の紹介

管理人は消防法に基づく消防設備士および危険物取扱者の免状を共に全類取得している為、消火器および消火薬剤の規格もマーチン・ルーサー・キングJr.の演説くらいマスターしています。

消火器のホース

消火器のホース(だいたい黒い)には、以下の規定があります。

【第15条(ホース)】

1 消火器にはホースを取り付けなければならない。ただし「ハロゲン化物消火器で消火剤の質量が4kg未満のもの」または「粉末消火器で消火剤の質量が1kg以下のもの」については、この限りでない。

2、消火器のホースは、次の各号に適合するものでなければならない。

  • 一 本体容器の耐圧試験を行なつた場合において、漏れを生ぜず、かつ、著しい変形を生じないこと。
  • 二 長さは、消火剤を有効に放射するに足るもの(据置式の消火器にあつては、有効長(有効に使用することが出来る、もっとも長く延長したときの長さ)が10m以上であるもの)であること。
  • 三 使用温度範囲で耐久性を有するもので、かつ、円滑に操作できるものであること。
  • 四 ホースを延長して使用するものにあつては、延長の操作により変形・き裂その他の異常を生じないものであること。

参考消火器の技術上の規格を定める省令

ハロゲン化物の4kg未満、粉末の1kg以下のような小型のものは、放射する方向をホースで制御しなくても、軽いので本体を傾けたらいけるから不要です。

ホースを取り付けなくてもよい消火器の規定について、ハロゲンが “未満” で粉末が “以下” になっている点に注意!

この表現自体の引っかけ問題は、さすがに過去問にもありませんよ。
ただ「粉末の薬剤量が1kg以下の…」みたいな問題文を見たときに『あ!これは引っかけ問題なのでは…?』と試験中に戸惑ってしまう恐れがある為、覚えておきましょう。

ホースの具体的な長さの規定は「据置式」のみ有効長が10m以上となっています。

消火器ホースのリコール

消火器ホースの中にはひび割れしやすくリコール対象品となっているものがあります。

消防設備士および消防設備点検資格者は、消火器の点検時にホースのひび割れも必ず確認しましょう!

参考リコールプラス

消火器のノズル

上図の通り、消火器のノズルは「開閉式」および「切替式」にできる場合があります。

【第16条(ノズル)】

消火器(車載式の消火器を除く。)のノズルには、開閉式および切替式の装置を設けてはならない。ただし、据置式の消火器及び背負式の消火器のノズルにあっては、開閉式の装置を設けることができる。

2 消火器のノズルは、次の各号に適合するものでなければならない。

  • 一 本体容器の耐圧試験を行つた場合において漏れを生ぜず、かつ著しい変形を生じないこと。
  • 二 内面は、平滑に仕上げられたものであること。
  • 三 開閉式又は切替式のノズルにあっては、開閉又は切替えの操作が円滑に行われ、かつ放射の際消火剤の漏れその他の障害を生じないこと。
  • 四 開閉式のノズルにあつては、0.3MPaの圧力を5分間加える試験を行った場合において、漏れを生じないこと。
  • 五 開放式のノズルで栓を施しているものにあつては、使用温度範囲で漏れを生じないものであつて、かつ作動させた場合において確実に消火剤を放射することができるものであること。

参考消火器の技術上の規格を定める省令

「消火器の動作数」でも分かるように、放射までの動作をなるべく少なくしたいけども一部は構造上仕方なく開閉式ノズルが容認されています。

車載式のような大型消火器の切替式ノズルは「火災状況に応じて適した放射形状」に切替えることが出来る為、消火活動に有効でしょう。
省令の作成者さんの気持ちを察するに『 車載式のような大型消火器はどうせ警備員や管理人とか防火管理者みたいな「ちょっと知ってる人」が使うだろうから… まぁ切替式ノズル容認。』みたいな感じかと。

開閉式ノズル0.3Mpaの圧力を5分間加える試験を行った場合に、漏れを生じないこととされています。

覚え方

開閉ノズル・0.3・圧・5分・加え・漏れ生じない = 『海兵のズールー人のオッサンは、アツアツのご飯をくわえて潜っても息漏れを生じない』

※[ズールー人:アフリカの民族]・[5分:ご飯]

消防設備士試験の過去問(消火器と消火薬剤の規格)

Q質問

ホースの規定で誤っているものは次のうちどれか。

A回答

据置式以外、具体的な長さの規定はありません。

ホースの具体的な長さの規定は「据置式」のみ有効長が10m以上となっています。

Q質問

ノズルに設ける装置について、次のうち誤っているものはどれか。

A回答

消火器の使用者は、もちろん老齢の御婦人(お婆ちゃん)の場合もある為、考え方として 「消火器は誰でも使える」が基本です。

よって消火器の操作はシンプルであるべきですが「据置式はホースが長く本体と遠いから」&「背負い式も本体を背負っているから」といった理由で仕方なく「開閉式」のノズルのみ容認されている解釈です。

よって2が誤りです。

省令上、上記のものは車載式に関しては除外されている為、逆に言えば車載式ならば、開閉式および切替式の装置(どちらでも)を設けてよい」となります。

迷わずに回答できましたか?
もし、まだ自信がないのであれば繰り返し「過去問テスト」等を使って類題を解くことをオススメします!

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消防設備士「過去問テスト」は、その名の通り“過去に出た問題” のテストであり、ブログでお馴染みの管理人が過去問に関する情報収集を積み重ね、その中からピックアップして過去問ベースの模擬試験を作成したものです。

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まとめ

  • 消火器ホースの具体的な長さの規定は「据置式」のみ有効長が10m以上となっていた。
  • 据置式の消火器及び背負式の消火器のノズルにあっては、開閉式の装置を設けることができた。
  • 「車載式ならば、開閉式および切替式の装置を(どちらでも)設けてよい」と解釈できた。