知らなきゃ損!消防設備士の実務に役立つ本3選【知識格差を是正する】
安斎健一(@kenich1970)さん、たくさんの方々が気になっていることを発信するキッカケとなるDMありがとうございました!
ここでは「ググっても出てこない本」or「超まとまってる本」を紹介していきます。
点検実務必携(消防用設備等の点検方法)および試験実務必携(設置後の試験方法)は文字通り実務に従事する上で携えておくべき条項が盛り込まれていますが、それらはだいたいググったら出てくる内容&超分厚い本なので割愛します。
もし期待のピチピチ業界ニューカマーな消防設備士に『おススメの本‥ありませんか?』と聞かれた際は、このページURLを送ってあげれば3秒で問題解決です!
目次
①建築消防advice
言わずと知れた古より長らく毎年更新されては使い続けられている全消防人のバイブルが、この「建築消防advice」でしょう。
建築消防adviceの何がいいかと言えば、その「検索性」の高さ(≒読みやすさ)でしょう。
ググるよりも早く、欲しい情報にたどり着けるのです。
消防署の予防課へ設備相談に行くと、この建築消防adviceを開きながら指導されている予防係員の消防士さんもいらっしゃいます。
※ちなみに毎年「建築消防advice20✘✘」が出版されますが、よっぽど大きな法改正ない限りは内容だいたい一緒です。
②通知でわかる消防用設備の設置免除・緩和措置 -消防法施行令第32条の特例-
続いて予防業務に携わる消防人の知識量(≒レベル)が試される「特例」に関わるバイブルが、この「通知でわかる消防用設備の設置免除・緩和措置 -消防法施行令第32条の特例-」です。
【記入例】消防用設備等の設置義務は特例申請で緩和できます【令32条】
例えば、実務で頻出する以下の(16)項 複合用途防火対象物における自動火災報知設備の設置免除の特例を使って、(6)項ハ等の自火報免除したことありますか?
令第21条第1項第3号に掲げる防火対象物のうち、令別表第1(16)項イに掲げる防火対象物で次の(1)および(2)に掲げる条件に該当する場合にあっては既存・新築の別を問わず、令第32条の規定を適用し、自動火災報知設備を設置しないことができるものであること。
(1) 防火対象物の延べ面積は、500㎡未満であること。
(2) 令別表第1(1)項から(4)項まで、(5)項イ、(6)項または(9)項イに掲げる防火対象物の用途(以下「特定用途」という。)に供される部分が、次のアからウに掲げる条件の全てに適合すること。
- ア 特定用途に供される部分の存する階は避難階であり、かつ無窓階以外の階であること。
- イ 特定用途に供される部分の床面積の合計は、150㎡未満であること。
- ウ すべての特定用途に供される部分から主要な避難口へ容易に避難できること。
通知でわかる消防用設備の設置免除・緩和措置 -消防法施行令第32条の特例- P.207
この特例を(知っていて)使うことができれば、例えばテナントに(6)項ハのデイサービスや就労支援B型が入って建物全体が(16)項イになって自動火災報知設備の設置義務が生じる場合(あるある)であっても、それを免除(=クライアントの開業コスト削減)することが可能です。
最低1冊、最高でも1冊あればいい本。
特に、予防業務に携わる消防人は国民(市民&クライアント)にとって大事なお金を使わせる業務に従事しますから、その負担を軽減する為にも特例について知っておく責任があるでしょう。
その責任を果たすための本ですから、せめてファイティングポーズくらい取るためにも1冊はGETしておきましょう。
③逐条解説 消防法
この逐条解説は消防士のバイブルです。
消防士の方々は必ずと言っていいほど、この「逐条解説 消防法」を持っています。
ところが同じ消防人である消防設備士には、まだ「逐条解説 消防法」が浸透していない印象です。
なぜか。
ここで消防設備士を(いい加減に)目覚めさせる為、「逐条解説 消防法」にしか載っていない消防法 第17条の12〔消防設備士の責務〕の趣旨および解釈を引用させて頂きます。
消防法 第17条の12〔消防設備士の責務〕
- 消防設備士は、その業務を誠実に行い、工事整備対象設備等の質の向上に努めなければならない。
【趣旨および解釈】
- 一 本条は、消防設備士の守るべき責務について規定したものである。
日本国憲法第22条第1項は「何人も、公共の福祉に反しない限り、‥職業選択の自由を有する」と定めている。この職業選択の自由には営業の自由も含まれる。したがって、本来は、消防用設備等または特殊消防用設備(工事整備対象設備等)の工事または整備を営むことは、何人にとっても自由でなければならない。それにも関わらず、一定の工事整備対象設備等の工事または整備について消防設備士でなければ行ってはならないとされたことは、消防用設備等の工事または整備について強い公益性を認め、それを消防設備士に信託したものであるということができる。
したがって、消防設備士は、この国民の信託に応えなければならない責任がある。これが消防設備士の社会的責任であり、その具体例として本条は業務の誠実な執行および工事整備対象設備等の質の向上をあげているのである。- ニ 「業務を誠実に行う」とは、工事整備対象設備等の工事または整備を技術上の基準に従って完全に行うことまたは工事もしくは整備の依頼者、ひいては一般国民に対して、その無知に乗ずるようなことはあってはならず、常に信義誠実の原則に沿って相対さなければならないこと等を意味する。また、「工事整備対象設備等の質の向上に努める」とは、消防設備士が自ら工事または整備を行う工事整備対象設備等の質の向上に努めることはもちろんのこと、一般的に消防用設備等について常に研究を怠らないことを意味する
逐条解説 消防法 P.598.599
正直めちゃくちゃ面白くないですか?
長年の謎が解けて何だかワクワクしませんか?
他にも『この条文って、そういうことだったのか!!』って発見が盛りだくさんでしょうから、この「逐条解説 消防法」も1冊は持っておきたい消防設備士の実務に役立つ本です。
消防士のバイブルである「逐条解説 消防法」は、これから消防設備士のバイブルにもなるはずの1冊です。
消防設備士の実務に携わる方、消防法 第17条の12〔消防設備士の責務〕を順守して消防設備士の社会的責任を全うしたい方は「逐条解説 消防法」も持っておきましょう。
ほな現場からは以上です、また!
その他、質問など御座いましたらボちゃんねる(掲示板)へ投稿、もしくはLINEオープンチャット「消防設備士Web勉強会」上でご連絡下さいませ。
まとめ
- 青木ボジョ(@aoki_bosai)Instagram宛に消防設備士の実務に役立つ本や雑誌について質問を頂いたので、①建築消防advice・②通知でわかる消防用設備の設置免除・緩和措置 -消防法施行令第32条の特例-・③逐条解説 消防法の3冊を紹介した。
- 全消防人のバイブルが「建築消防advice」であり、ググるよりも欲しい情報に早くたどり着ける「検索性」の高さ(≒読みやすさ)が魅力であった。
- 逐条解説は消防士のバイブルであったが、これから消防設備士のバイブルにもなるはずの1冊であった。
安斎健一
kenich1970
青木さま、こんにちは。いつもインスタやブログで有益な情報ありがとうございます。
教えて頂きたいのですが、消防設備士の実務に役立つ本や雑誌(設備士試験参考書は二類以外持っています)、ご存じないでしょうか?
試験については、近々六つ目に挑戦するところです。
宜しくお願いいたします。
参考安斎健一(@kenich1970)さんInstagram