【赤い逆正三角形のマーク】非常用進入口の設置基準【建築基準法】

先日、以下の通り㈱石井マーク様のTwitter投稿にて「黒ずんだ逆三角形」の解説ご指名を承りました。

(株)石井マーク

@ishiimark_sign

この「黒ずんだ逆三角形」の正体や、役割が何なのかと申しますれば… おそらく、いずれ青木防災(株)様あたりからご説明いただけるかもしれませんし、その方が正確で分かりやすいかと思います。 ここ最近かなり忙しい事もあって、後の事は丸投げです。これを英語で言い換えますと丸投げドン接近ですね。

参考㈱石井マーク(@ishiimark_sign)

え~っと‥まず英語で「丸投げドン接近」って、どういう意味ですか?
よっぽど忙しいってことやんか…えぇオトナなら空気読まなアカンて。

さてさて写真の「黒ずんだ逆三角形」の正体は、赤い逆正三角形である消防隊進入口のウラ側でしょう。

消防隊進入口のマーク外観

赤い逆正三角形が窓に貼られているのを、ご覧になったことはありませんか?

この「ウラ」については粘着面に何も記載されていない製品があります。

参考㈱石井マーク(@ishiimark_sign)

ん‥この記事タイトル「非常用進入口」やけど、ずっと「消防隊進入口」って呼んでるの何でなん?
通称「消防隊進入口」には「非常用進入口」と「代替進入口」の2種類あんねん‥解説していきます!

非常用進入口とは

まず「非常用進入口」とは、火災が発生した際などに外部から消防隊がはしご車から建物へ進入するためのバルコニーや開口部のことを指します。

参考建築基準法施行令 第126条の6〔設置〕建築基準法施行令 第126条の7〔構造〕

消防法じゃなくて建築基準法で規定されてるんや‥消防隊のためのものやのに。
ちなみに建築基準法施行令 第126条の7〔構造〕で「非常用の進入口である旨を赤色で表示する」って文言があって、それが赤い逆三角形よ。

続いて非常用進入口の構造をみていきましょう。

非常用進入口の構造

非常用進入口となる窓は以下の通り「①バルコニー」と「③赤色灯」および「③正三角形のマーク」の3つで構成されています。

参考LED非常用進入口赤色灯(Panasonic)飲食店などを改修される皆様へ(高知市役所)㈱石井マーク(@ishiimark_sign)

あれ!?思ってたんと違う!
あの赤い逆三角形って、だいたい普通の窓に貼ってあるやんか。
そうなんです。
実は、だいたい「代替進入口」って窓を設けて「非常用進入口」の代わりとしているのです。

代替進入口とは

直径1m以上の円が内接もしくは幅75cm以上および高さが1.2m以上の窓その他の開口部を幅員4m以上の道または通路に設けることで「非常用進入口」に代わる「代替進入口」とすることができます。

参考飲食店などを改修される皆様へ(高知市役所)

えっ、こっちの方がバルコニーとか赤色灯つけんでエエから‥お得やん!
ただし市町村によっては運用基準などで「赤い逆三角形」の表示を求められる場合があるので注意!

代替進入口には,赤色による一辺が 20 ㎝の逆正三角形の表示を設けること。
ただし,代替進入口であることが明らかであり,かつ,代替進入口としての機能が確保される場合を除く。

参考第6 非常用の進入口 福岡市

これらの「消防隊進入口」である「非常用進入口」と「代替進入口」の設置基準は以下の通りです。

非常用進入口もしくは代替進入口の設置基準

消防隊進入口は建物の「幅員4m以上」の道または通路に面した「3階以上」の部分かつ「高さ31m以下の部分」に設置します。

どういう場合に「非常用進入口」が設置されるの?‥だいたい「代替進入口」でエエと思うんやけど。
特にデカい建物やと「非常用進入口」がある場合、多いですね。設置間隔が違うんですよ。

非常用進入口の設置間隔

非常用進入口となるバルコニーは40m以下の間隔で設置します。

参考第6 非常用の進入口 福岡市

代替進入口の設置間隔

一方、代替進入口となる窓は10m以内の間隔で設置します。

参考第6 非常用の進入口 福岡市

なるほど‥大きい建物やと「代替進入口」だらけになるから、「非常用進入口」の方がエエかもね。
そんなワケで消火活動上、はしご車から建物へ進入するための大事なモンやから障害物とか置かんといてね。

消防隊進入口の前は空けておく

消防隊の方々の活動の妨げになる物品等を、周囲に置かない様にしましょう。

どうしても手すり等を設置せざるを得ない場合、容易に取り外し可能な仕様にする等の工夫をしたこともありました。

以上、赤い逆正三角形の貼ってある大事な「消防隊進入口」のお話でした。

まとめ

  • ㈱石井マーク様のTwitter投稿にて「黒ずんだ逆三角形」の解説ご指名を承った為、赤い逆正三角形である消防隊進入口について解説した。
  • 通称「消防隊進入口」には「非常用進入口」と「代替進入口」の2種類あり、建築基準法上で設置基準が規定されていた。
  • 「非常用進入口」とは、火災が発生した際などに外部から消防隊がはしご車から建物へ進入するためのバルコニーや開口部のことを指した。