【消火器の規格】ろ過網(化学泡消火器)と消火器の安全弁【過去問】

消火器ん中に「ろ過」する網が入ってるってホンマ!?
昔、主流やった「化学泡消火器」とかには、ろ過網(ろかあみ)入ってましたが…現在の蓄圧式粉末ABC消火器とかには無いです。

ろ過網(化学泡消火器)および消火器の内圧が上昇した際の破裂防止をする「安全弁」について徹底解説していきます!

ブログ著者の紹介

管理人は消防法に基づく消防設備士および危険物取扱者の免状を共に全類取得している為、消火器および消火薬剤の規格もリュカの上スマッシュくらいマスターしています。

ろ過網(ろかあみ)を設ける消火器

参考濾過網 3D Warehouse

ろ過網とは消火器のノズルやホースが詰まることを防ぐために設けられるフィルターのことであり、以下の通り規格が定められています。

【第17条(ろ過網)】

手動ポンプの水消火器、ガラスびんを使用する酸アルカリ消火器もしくは(ガラスびんを使用する)強化液消火器、化学泡消火器にはノズルまたはホースに通ずる薬剤導出管等の本体容器内における開口部に、次の各号に定める“ろ過網”を設けなければならない。

一 ろ過網の目の最大径は、ノズルの最小径の3/4以下であること。 

二 ろ過網の目の部分の合計面積は、ノズルの開口部の最小断面積の30倍以上であること。

参考消火器の技術上の規格を定める省令

手動ポンプの水消火器・ガラスびんを使用する酸アルカリ消火器・強化液消火器・化学泡消火器にはノズルまたはホースに通ずる薬剤導出管等の本体容器内における開口部に、次の各号に定めるろ過網を設けなければならないと規定されています。

ろ過網を設ける消火器4つ

  1. 手動ポンプの水消火器
  2. ガラスびんを使用する酸アルカリ消火器
  3. ガラスびんを使用する強化液消火器
  4. 化学泡消火器

この省令が最初に定められたのが昭和39年 (1964年) と遥か昔のことで、それから改定を繰り返し今に至ります。
当時は硫酸系の水溶液(化学泡でいうB剤)をガラス瓶に入れ(硫酸は鉄を腐食させるため鉄製の容器は使用不可)、使用時には瓶を割って(破瓶式)2剤を混合し化学反応を起こし、発生するガスで加圧する方式が酸アルカリ消火器や強化液消火器にも採用されていました。
それらを踏まえると「ガラスを割るので破片がノズルやホースに詰まるのを防ぐため、ろ過網を設けなければならない」と推察されます。
現在の化学泡消火器の硫酸系水溶液(B剤)には樹脂製やステンレス製の容器が使われているのでガラスの破片は出ませんが…その名残で、ろ過網が依然として設けてられていますね。

化学泡消火器自体もう殆ど無い消火器ですが、ろ過網が設けられていると覚えておきましょう。

消火器の安全弁

安全弁とは、本体容器の圧力が異常に上昇した時に減圧するためのものです。

【第24条(安全弁)】※抜粋

1、消火器の安全弁は、次の各号に適合するものでなければならない。

  • 本体容器内の圧力を有効に減圧することができること。
  • みだりに分解し、または調整することができないこと。
  • 封板式のものにあつては、噴き出し口に封を施すこと。
  • 「安全弁」と表示すること。
  • 消火器の本体容器(高圧ガス保安法の適用を受けないものに限る)または容器弁以外のバルブに設ける安全弁は、次の表[省略]に掲げる当該安全弁を設ける消火器の区分に応じ、それぞれ当該欄に掲げる作動圧力の範囲内で作動するものでなければならない。
  • 二酸化炭素の消火器及び加圧用ガス容器の容器弁に設けるものは封板式、その他の容器弁に設けるものは封板式、溶栓式または封板溶栓式であること。
  • 封板式は、[省略]容器の区分に応じそれぞれに掲げる作動圧力の範囲内で作動すること。
  • 溶栓式は、[省略]容器の区分に応じそれぞれに掲げる作動温度の範囲内で作動すること。

参考消火器の技術上の規格を定める省令

安全弁は六角ボルトと形が似ているので、つい外してみたくなりますが「ダメ絶対!」です。(※薬剤全部出ちゃいます)

ハロゲン化物消火器・二酸化炭素や窒素ガスの消火器や加圧用ガスなどの容器は、高圧ガス容器なのでかなり高い圧力にも耐えうるが故に、許容範囲を超えて破裂すると、とんでもない事故になります。
圧力が上がる要因は温度によるもので、温度上昇に伴い圧力も上昇します。

温度が上昇すると封をしている金属が溶けて穴があき、そこから排圧する「溶栓式」と、温度に関係なく一定の圧力まで上昇すると封板が破れ排圧する「封板式」があります。

安全弁の種類2つ

  1. 溶栓式
  2. 封板式

二酸化炭素(炭酸ガス)は温度上昇に対して圧力上昇率が激しく、溶栓式だと溶ける温度に達する前に容器が破裂する圧力まで上昇してしまうので、封板式しか使えません。

消防設備士試験の過去問(消火器と消火薬剤の規格)

Q質問

ろ過網を設けなければならない消火器として、次のうち正しいものはどれか。

A回答

以下の消火器には、ろ過網を設けます。

ろ過網を設ける消火器4つ

  1. 手動ポンプの水消火器
  2. ガラスびんを使用する酸アルカリ消火器
  3. ガラスびんを使用する強化液消火器
  4. 化学泡消火器

よって4の化学泡消火器のみ、ろ過網が必要となります。

Q質問

消火器の安全弁について、次のうち誤っているのものはどれか。

A回答

【第24条(安全弁)】に 「みだりに分解し、または調整することができないこと」が規定されています。

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まとめ

  • 手動ポンプの水消火器・ガラスびんを使用する酸アルカリ消火器・強化液消火器・化学泡消火器にはノズルまたはホースに通ずる薬剤導出管等の本体容器内における開口部に、次の各号に定めるろ過網を設けなければならないと規定されていた。
  • 安全弁とは、本体容器の圧力が異常に上昇した時に減圧するためのものであった。
  • 温度が上昇すると封をしている金属が溶けて穴があき、そこから排圧する「溶栓式」と、温度に関係なく一定の圧力まで上昇すると封板が破れ排圧する「封板式」があった。