【消火器の規格】大型消火器の能力単位と消火薬剤の量|6類【過去問】
もしかして車輪ついてたら大型でエェんかな!?
目次
ブログ著者の紹介
管理人は消防法に基づく消防設備士および危険物取扱者の免状を共に全類取得している為、消火器および消火薬剤の規格もピエロの玉乗りくらいマスターしています。
大型消火器に分類される条件2つ
「大型消火器 」は、次の規格にて定められている能力単位および消火薬剤量の要件の両方を満たしている消火器の分類をいいます。
- 能力単位
- 消火薬剤量
大型消火器の能力単位
【第2条】
消火器は、次条または第四条の規定により測定した能力単位の数値が1以上でなければならない。ただし、大型消火器で、A火災に適応するものにあっては10以上、B火災に適応するものにあっては20以上でなければならない。
A火災およびB火災については前ブログ “A火災およびB火災の分類とは?” をご参照下さいませ。
大型消火器の消火薬剤量
大型消火器に該当する条件として、消火器の種類ごとに以下の消火薬剤の量以上である必要があります。
消火器の種類 | 消火薬剤の量 |
水消火器 | 80リットル以上 |
強化液消火器 | 80リットル以上 |
化学泡消火器 | 60リットル以上 |
機械泡消火器 | 20リットル以上 |
二酸化炭素消火器 | 50㎏以上 |
ハロゲン化物消火器 | 30㎏以上 |
粉末消火器 | 20㎏以上 |
【第9条】
大型消火器の消火剤の量は、水消火器又は化学泡消火器は80ℓ以上、機械泡消火器は20ℓ以上、強化液消火器は60ℓ以上、ハロゲン化物消火器は30kg以上、二酸化炭素消火器は50kg以上、粉末消火器は20kg以上でなければならない。
- 能力単位‥A火災に適応するものにあっては10以上、B火災に適応するものにあっては20以上
- 消火薬剤量‥水消火器または化学泡消火器は80ℓ以上、機械泡消火器は20ℓ以上、強化液消火器は60ℓ以上、ハロゲン化物消火器は30kg以上、二酸化炭素消火器は50kg以上、粉末消火器は20kg以上
大型消火器に該当しない例
能力単位A-5、B-20、Cで、消火薬剤質量10kgの粉末(ABC)消火器
= 大型消火器では無い
(能力単位の数値が、B火災で20あるが、薬剤が20kgに満たないため)
大型消火器に該当する例
能力単位A-10、B-20で、消火薬剤量30ℓの機械泡消火器
= 大型消火器
(能力単位の数値が、A火災が10、B火災も20ある、薬剤も20ℓ以上なので)
【補足】大型消火器を危険物施設に設置するケース
危険物施設には、そこで貯蔵および取扱いされる危険物毎に以下の消火設備を設置します。
第1種消火設備 | 屋内消火栓設備、屋外消火栓設備 |
第2種消火設備 | スプリンクラー設備 |
第3種消火設備 | 水噴霧消火設備 泡消火設備 不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備 |
第4種消火設備 | 大型消火器 |
第5種消火設備 | 小型消火器 |
第4種消火設備の設置義務が生じる危険物施設には、大型消火器を設置します。
消防設備士試験の過去問(消火器と消火薬剤の規格)
消火器の能力単位について、次のうち誤っているものはどれか。
A火災およびB火災の両方が揃う必要はなく、どちらか一方の能力単位が火災に適応していればOKです。
大型消火器で、A火災に適応するものにあっては10以上、B火災に適応するものにあっては20以上でなければならない。
大型消火器に充填する消火薬剤の最小値として、次のうち誤っているものはどれか。
【大型消火器の消火剤の量】
- 水消火器または化学泡消火器は80ℓ以上
- 機械泡消火器は20ℓ以上
- 強化液消火器は60ℓ以上
- ハロゲン化物消火器は30kg以上
- 二酸化炭素消火器は50kg以上
- 粉末消火器は20kg以上
よって “二酸化炭素消火器は50kg以上” である為、選択肢4が誤り。
大型消火器に該当するものは次のうちどれか。
- 能力単位‥A火災に適応するものにあっては10以上、B火災に適応するものにあっては20以上
- 消火薬剤量‥水消火器または化学泡消火器は80ℓ以上、機械泡消火器は20ℓ以上、強化液消火器は60ℓ以上、ハロゲン化物消火器は30kg以上、二酸化炭素消火器は50kg以上、粉末消火器は20kg以上
大型消火器に要求される能力単位と薬剤量の両方の条件を満たすのは選択弁3のみ。
消防設備士「過去問テスト」は、その名の通り“過去に出た問題” のテストであり、ブログでお馴染みの管理人が過去問に関する情報収集を積み重ね、その中からピックアップして過去問ベースの模擬試験を作成したものです。
上記以外に新傾向問題の情報など提供あり次第、随時追記して解説を更新していきます。
その他、質問など御座いましたらボちゃんねる(掲示板)へ投稿、もしくはLINEオープンチャット「消防設備士Web勉強会」上でご連絡下さいませ。
まとめ
- 「大型消火器 」とは、能力単位および消火薬剤量の要件の両方を満たしている消火器の分類をいい、車載式かどうかが法的な基準ではなかった。
- 大型消火器に該当する消火器能力単位は、A火災に適応するものにあっては10以上、もしくはB火災に適応するものにあっては20以上でなければならなかった。
- 大型消火器の消火薬剤量は、水消火器または化学泡消火器は80ℓ以上、機械泡消火器は20ℓ以上、強化液消火器は60ℓ以上、ハロゲン化物消火器は30kg以上、二酸化炭素消火器は50kg以上、粉末消火器は20kg以上であった。