【消火器の規格】消火器の安全栓と使用済み表示装置【過去問】

消火器のテッペンについてる黄色い輪っか、あれ何なん!?
あれ「安全栓」いいまして、誤放射を防止する為のモンですわ。

消火器のテッペンについている黄色いリングについて、その色やサイズの規定について確認してきましょう!

ブログ著者の紹介

管理人は消防法に基づく消防設備士および危険物取扱者の免状を共に全類取得している為、消火器および消火薬剤の規格もステファン・カリーのスリーポイントシュートくらいマスターしています。

消火器の安全栓

消火器のレバー上部に設置されている黄色い安全栓(リング状のアレ)について、以下の通り規定されています。

【第21条(安全栓)】

消火器には、不時の作動を防止するため安全栓を設けなければならない。
ただし、手動ポンプの水消火器又は転倒の1動作で作動する消火器については、この限りでない。

2 安全栓は、一動作で容易に引き抜くことができ、かつ、その引き抜きに支障のない封が施されていなければならない。

3 手さげ式の消火器のうち押し金具をたたく1動作と、ふたをあけて転倒させ作動するもの以外の消火器、ならびに据置式の消火器の安全栓については、前項の規定のほか、次に定めるところによらなければならない。

  • 一 内径が2cm以上のリング部、軸部及び軸受部より構成されていること。
  • 二 装着時に、リング部は軸部が貫通する上レバーの穴から引き抜く方向に引いた線上にあること。
  • 三 リング部の塗色は、黄色仕上げとすること。
  • 四 材質は、JISG4309のSUS304[オーステナイト系のステンレス鋼線]に適合し、またはこれと同等以上の耐食性及び耐候性を有すること。
  • 五 上方向(消火器を水平面上に置いた、垂直軸から30°以内の範囲)に引き抜くよう装着されていること。
  • 六 安全栓に衝撃を加えた場合及びレバーを強く握った場合においても引き抜きに支障を生じないこと。
  • 七 引き抜く動作以外の動作によつては容易に抜けないこと。

参考消火器の技術上の規格を定める省令

黄色い安全栓は、誤作動(誤放射)防止の為に設けられています。

しかし人の『抜くぞ』という意志の妨げになっては本末転倒になる為、過失(うっかり)の防止のみで故意の引き抜き(いたずら)の防止にはなりません。
安全栓が抜かれたことが分かるように封シールもされていますが、これも「抜かれたことが分かる」様に設けているのであって「抜けにくく」しているのではありません。
男性の指のサイズの平均が13~18号(53.4~58.6mm)である為、規定されている内径20mm(2cm)であれば円周が62.8mmつまり22号相当の大きさであれば十分でしょうね。
消火器の使用者(一般の人)はパニック状態になっていることが予想されます。
だから例えばAさんが安全栓を抜かずにレバーを握って『出ない!出ない!』と慌てている時、隣で見ていたBさんが「これを抜けばいいんじゃないですか!」って、思い切りレバーを握ってるAさんの消火器の安全栓を引いた時に抜ける構造になっています。

消火器の使用済み安全装置

消火器の使用済み安全装置とは、消火器のレバーを握ったら脱落するもので、消火器が使用済みであることがパッと見で判別するための目印です。

【第21条の2】

手さげ式の消火器で(指示圧力計のある蓄圧式消火器、バルブを有しない消火器及び手動ポンプの水消火器を除く)には、使用した場合、自動的に作動し、使用済であることが判別できる装置を設けなければならない

参考消火器の技術上の規格を定める省令

ちなみに消火器の点検報告書に「使用済みの表示装置」という欄がありますが、これは日本ドライケミカル株式会社の消火器に付いている「プレッシャーアイ」という装置のことで、この「使用済み安全装置」の規定で謳われているものとは異なります。

プレッシャーアイとは

加圧式消火器を使用して容器内圧力が上昇した際に作動する表示装置のこと。

参考だれでもわかる消防用設備

消防設備士試験の過去問(消火器と消火薬剤の規格)

Q質問

手さげ式消火器の安全栓について、次のうち誤っているものはどれか。

A回答

リング部の塗色は、黄色仕上げとすることが規定されています。

(2)私自身の実務経験では、この封が切れてしまい現地の人(無資格者)の補修によりセロテープやテプラシールに “ 封 ”と印字されたものが貼ってあったり、点検作業員(資格の有無は不明)による補修で “ 封印シール ” では無く “ 充填済みシール ” が貼ってあるものを見かけたことがあります。

実際に安全栓を引き抜く動作を行うとガッチリと止まっていて支障が有ったので注意が必要です。
(特に指定が無いのでテプラでも充填シールでも支障がなければいいが、できれば専用品がいい!)

Q質問

安全栓について、誤っているものは次のうちどれか。

A回答

(2)【第21条】に “ 上方向(消火器を水平面上に置いた、垂直軸から30°以内の範囲)に引き抜くよう装着されていること ” が規定されています。

(1)最近の安全栓のリング部は樹脂製(プラスチック)だが、芯の部分は規定通りの材質が使われている。

《 読み方や意味 》
【対候性(たいこうせい)】:太陽光や風雨に晒される野外での使用に耐えることができる性質。(※ほぼ耐候性と同じ意味)

Q質問

使用済みの表示の装置を設けなければならない消火器は、次のうちのどれか。

A回答

【第21条の2】 “ 手さげ式の消火器で(指示圧力計のある蓄圧式消火器、バルブを有しない消火器および手動ポンプの水消火器を除く)には、使用した場合、自動的に作動し、使用済であることが判別できる装置を設けなければならない ” とあります。

(1)および(3)はバルブを有しない。

(4)は指示圧力計がある。

(2)二酸化炭素消火器は何かの原因で誤放射してしまっても外観や重量では殆ど見分けがつかないがレバーを握ると、使用済みの表示装置が作動するので判別出来る。

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もし、まだ自信がないのであれば繰り返し「過去問テスト」等を使って類題を解くことをオススメします!

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まとめ

  • 黄色い安全栓は、誤作動(誤放射)防止の為に設けられており、過失(うっかり)の防止のみで故意の引き抜き(いたずら)の防止にはならなかった。
  • 消火器の使用済み安全装置とは、消火器のレバーを握ったら脱落するもので、消火器が使用済みであることがパッと見で判別するための目印であった。
  • 消火器の点検報告書に「使用済みの表示装置」という欄がありますが、これは日本ドライケミカル株式会社の消火器に付いている「プレッシャーアイ」という装置のことで、この「使用済み安全装置」の規定で謳われているものとは異なった。