【過去問】大型消火器と運搬方式|消防設備士乙6【鑑別(実技)】
この「実技(鑑別)」を60%以上、正答できるかが合否を左右します。
消防設備士乙6の受験生の皆さまは、心得て勉強に取り組みましょう!
目次
ブログ著者の紹介
管理人は消防法に基づく消防設備士および危険物取扱者の免状を共に全類取得している為、消防設備士乙6の実技(鑑別)もイニエスタのパス回しくらいマスターしています。
大型消火器にまつわる鑑別の過去問に挑戦する前に、筆記試験の勉強で習ったことを含む3つのポイントについて復習します。
大型消火器にまつわるポイント3つ
大型消火器の問題を解くためには、まず以下のポイント3つを押さえておきましょう。
- 大型消火器の能力単位
- 大型消火器の消火薬剤量
- 危険物施設に設置する大型消火器
1. 大型消火器の能力単位
大型消火器で、A火災に適応するものにあっては10以上、B火災に適応するものにあっては20以上でなければなりません。
- A火災に適応するもの‥10以上
- B火災に適応するもの‥20以上
【消火器の規格】大型消火器の能力単位と消火薬剤の量|6類【過去問】
2. 大型消火器の消火薬剤量
大型消火器に該当する条件として、消火器の種類ごとに以下の消火薬剤の量以上である必要があります。
消火器の種類 | 消火薬剤の量 |
水消火器 | 80リットル以上 |
強化液消火器 | 80リットル以上 |
化学泡消火器 | 60リットル以上 |
機械泡消火器 | 20リットル以上 |
二酸化炭素消火器 | 50㎏以上 |
ハロゲン化物消火器 | 30㎏以上 |
粉末消火器 | 20㎏以上 |
【消火器の規格】大型消火器の能力単位と消火薬剤の量|6類【過去問】
3. 危険物施設に設置する大型消火器
危険物施設に設置する消火設備の分類のうち、大型消火器は「第4種消火設備」に該当します。
第1種消火設備 | 屋内消火栓設備、屋外消火栓設備 |
第2種消火設備 | スプリンクラー設備 |
第3種消火設備 | 水噴霧消火設備 泡消火設備 不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備 |
第4種消火設備 | 大型消火器 |
第5種消火設備 | 小型消火器 |
消防設備士試験の過去問(鑑別)
下の写真は大型消火器を示したものである。次の各設問に答えなさい。
消火器は、携帯または運搬の方法によって4種類に分類されているが、この消火器はいずれに分類されるかを答えなさい。
解答 |
解答 | 車載式 |
【解説】
消火器の携帯または運搬方式には、以下の4つがあります。
- 「手さげ式」‥一般的によく見かける消火器で、文字通り手にさげて運ぶものを指します。
- 「背負式」‥リュックサックのように消火器を背中に背負い運ぶものです。
- 「据置式」‥本体はその場から動かさずホースだけを引っ張っていくものを指します。
- 「車載式」‥車輪で本体を運ぶものです。
この消火器がA火災に適応するものである場合、能力単位の数値はいくつ以上か答えなさい。
解答 |
解答 | 10 |
【解説】
「大型消火器 」は、次の規格にて定められている能力単位および消火薬剤量の要件の両方を満たしている消火器の分類をいいます。
【第2条】
消火器は、次条または第四条の規定により測定した能力単位の数値が1以上でなければならない。ただし、大型消火器で、A火災に適応するものにあっては10以上、B火災に適応するものにあっては20以上でなければならない。
この消火器を消防法で規定する危険物を取扱う製造所に設置する場合、第何種の消火設備であるか答えよ。
解答 |
解答 | 4 |
【解説】
大型消火器は「第4種消火設備」に該当します。
第1種消火設備 | 屋内消火栓設備、屋外消火栓設備 |
第2種消火設備 | スプリンクラー設備 |
第3種消火設備 | 水噴霧消火設備 泡消火設備 不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備 |
第4種消火設備 | 大型消火器 |
第5種消火設備 | 小型消火器 |
この消火器の消火薬剤量は何㎏以上でなければならないか答えよ。
解答 | ㎏以上 |
解答 | 20 ㎏以上 |
【解説】
大型消火器に該当する条件として、消火器の種類ごとに以下の消火薬剤の量以上である必要があります。
消火器の種類 | 消火薬剤の量 |
水消火器 | 80リットル以上 |
強化液消火器 | 80リットル以上 |
化学泡消火器 | 60リットル以上 |
機械泡消火器 | 20リットル以上 |
二酸化炭素消火器 | 50㎏以上 |
ハロゲン化物消火器 | 30㎏以上 |
粉末消火器 | 20㎏以上 |
消火薬剤の色を答えよ。ただし、この大型消火器は粉末消火器ABC消火器であるものとする。
解答 |
この消火器は規格省令上、何動作以内で放射できるかを答えなさい。
解答 |
解答 | 3 |
【解説】
消火器の技術上の規格を定める省令にて、❝車載式の消火器にあっては3動作以内で容易に、かつ、確実に放射を開始することができるものでなければならない。❞ と規定されています。
消火器は、その保持装置から取りはずす動作・背負う動作・安全栓をはずす動作およびホースをはずす動作を除き、1動作で、化学泡消火器・据置式の消火器および背負式の消火器にあっては2動作以内で、車載式の消火器にあっては3動作以内で容易に、かつ、確実に放射を開始することができるものでなければならない。
B火災に適応する大型消火器について、規格省令に定められている能力単位の数値を答えよ。
解答 |
解答 | 20 |
【解説】
消火器の技術上の規格を定める省令にて、❝B火災に適応するものにあっては20以上でなければならない。❞ と規定されています。
【第2条】
消火器は、次条または第四条の規定により測定した能力単位の数値が1以上でなければならない。ただし、大型消火器で、A火災に適応するものにあっては10以上、B火災に適応するものにあっては20以上でなければならない。
規格省令上、使用温度範囲として含めなければならない温度範囲を答えなさい。
解答 |
解答 | 0℃以上40℃以下 |
【解説】
消火器の技術上の規格を定める省令にて、❝化学泡消火器以外の消火器 0℃以上40℃以下❞ と規定されています。
【第10条の2】
消火器は、種類に応じ、各号に掲げる “使用温度範囲”で使用した場合に、正常に操作することができ、かつ、消火及び放射の機能を有効に発揮することができるものでなければならない。
一 化学泡消火器5℃以上40℃以下
二 化学泡消火器以外の消火器 0℃以上40℃以下
下の写真AおよびBに示す大型消火器について、次の各設問に答えなさい。
これらに充てんされる消火剤の量を、それぞれ答えなさい。
A | リットル以上 |
B | ㎏以上 |
A | リットル以上 |
B | ㎏以上 |
【解説】
左から「二酸化炭素消火器」と「ハロゲン化物消火器」および「粉末ABC消火器」がならんでいます。
よって抑制作用(負触媒作用)が無い消火器は「二酸化炭素消火器」のみとなります。
大型消火器のうちB火災に適応するものの能力単位の数値は、いくつ以上でならなければならないか答えなさい。
解答 |
解答 |
【解説】
左から「二酸化炭素消火器」と「ハロゲン化物消火器」および「粉末ABC消火器」がならんでいます。
よって抑制作用(負触媒作用)が無い消火器は「二酸化炭素消火器」のみとなります。
下の写真に示す消火器(消火剤質量23㎏)について、次の各設問に答えなさい。
この消火器の名称を答えなさい。
名称 |
名称 | 二酸化炭素消火器 |
【解説】
本体容器の半分が緑色に塗色されている為、二酸化炭素消火器であると判別できます。
真っ赤なイメージの消火器ですが、法的には業務用消火器について25%以上赤色であれば他は何色でもいいことが規定されています。
二酸化炭素消火器は二酸化炭素ガスを圧縮し液化した状態の「液化炭酸ガス」が容器内に収められているので「緑色」で1/2以上塗らなければなりません。
高圧ガス容器を用いるものは消火器の規格上の「25%以上を赤色」の規定も加わるので本体容器の塗色の合計75%以上が法律で定められていることになります。
この消火器が適応する火災について、解答欄の語句を〇で囲みなさい。
適応火災 | 普通火災 ・ 油火災 ・ 電気火災 |
下の写真および図に示す消火器について、次の各設問に答えなさい。
この消火器の名称および操作の方式を答えなさい。
名称 |
操作の方式 |
名称 | 化学泡消火器 |
操作の方式 | 開がい転倒式 |
【解説】
化学泡消火器の操作の方式には以下の3つがあります。
- 転倒式…使用時に本体を転倒させるだけ
- 破蓋(はがい)転倒式…押し金具で蓋を破壊してから転倒させる
- 開蓋(かいがい)転倒式…手動で蓋を開けてから転倒させる
この消火器について、消火薬剤を放射するための操作を2つ答えなさい。ただしホース(ノズル)を取り外す動作は除くものとする。
操作2つ | ① |
② |
操作2つ | ①ハンドルを回して内筒フタを全開にする。 |
②本体容器を前に倒す。 |
【解説】
写真の「開がい転倒式」は、ハンドルを回すことで内筒フタが開き、その後に本体を傾けることでA剤とB剤が混ざって発泡します。
step1梶棒を手前に倒して移動する
step2梶棒を起こして消火器を垂直に立てる
step3ノズルの先を持ってホースをホース受けからはずして伸ばす
step4回転止めを左へ廻してロックを解除する
step5丸ハンドルを左へ止まるまで廻して内筒フタを全開にする
step6ノズルを火元に向ける
step7梶棒を持って手前に倒す(胴体上部の突起が床面に着くまで倒す)
step8倒すと、ノズルの先から消火薬剤が放射するので火元をおおうように散布する
下の写真は車載式の消火器を示したものである。なお、写真の下の表記は消火薬剤別の消火器名および消火薬剤の容量または質量である。
危険物施設に設置する第4種消火設備に該当するものを全て選び、A~Dで答えなさい。
記号 |
記号 | A、B |
【解説】
第4種消火設備には「大型消火器」が該当します。
第1種消火設備 | 屋内消火栓設備、屋外消火栓設備 |
第2種消火設備 | スプリンクラー設備 |
第3種消火設備 | 水噴霧消火設備 泡消火設備 不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備 |
第4種消火設備 | 大型消火器 |
第5種消火設備 | 小型消火器 |
よって設問のA~Dの中で、大型消火器がどれかを判別して回答します。
大型消火器に該当する条件として、消火器の種類ごとに以下の消火薬剤の量以上である必要があります。
消火器の種類 | 消火薬剤の量 |
水消火器 | 80リットル以上 |
強化液消火器 | 80リットル以上 |
化学泡消火器 | 60リットル以上 |
機械泡消火器 | 20リットル以上 |
二酸化炭素消火器 | 50㎏以上 |
ハロゲン化物消火器 | 30㎏以上 |
粉末消火器 | 20㎏以上 |
【消火器の規格】大型消火器の能力単位と消火薬剤の量|6類【過去問】
よって大型消火器としての薬剤の規定量を満たしているA:機械泡消火器(30リットル)、B:粉末消火器(20㎏)が大型消火器の消火薬剤の量を満たしている。
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