【過去問】二酸化炭素消火器|消防設備士乙種6類【消火器の構造・機能】
ンなもん、見たことも聞いたこともないわ!
これから消防設備士の試験を受ける方、既に消防設備士の免状を取得して業務に従事されている方も今一度「二酸化炭素消火器」について、確認しておきましょう!
目次
ブログ著者の紹介
管理人は消防法に基づく消防設備士および危険物取扱者の免状を共に全類取得している為、消火器の構造・機能もモラウの「紫煙機兵隊(ディープパープル)」くらいマスターしています。
二酸化炭素消火器を見かけた際は、以下の特徴について確認してみて下さい。
二酸化炭素消火器のホーン握り
放射の際に、液体が気体に変わる『気化』が起き、この時に周囲の熱を奪う『気化熱』が発生します。
本体容器やホース等がキンキンに冷えるので、そのまま素手で触っていると冷たいヤケド(凍傷)してしまいます。
その為、放射口(ホーン)の手前に、握り手(ホーン握り)がある二酸化炭素消火器があります。
二酸化炭素消火器の容器弁(安全装置付き)
本体容器は、高圧ガス保安法が適用される「高圧ガス容器」そのものに該当します。
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内圧上昇に伴う破裂防止の措置として、安全弁付きの容器弁が備わっています。
二酸化炭素消火器の塗色
二酸化炭素消火器は本体容器の1/2以上が緑の塗色で、肩部に刻印があります。
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1/2以上が緑の塗色である本体容器に消火器の要素である安全栓やホース等が付き、25%以上が赤色になっています。
このため二酸化炭素消火器は「高圧ガス保安法」と「消防法」に定められた規格にダブルで合格したものです。
二酸化炭素消火器の設置が禁止されている場所
空気中の酸素濃度を下げて消火する為、「地下街」や「無窓階」などの換気が悪い場所で使用すると人体に害を及ぼします。
その為、以下の通り設置場所・使用場所に制限があります。
- (16の2)項 地下街
- (16の3)項 準地下街
- 地階
- 無窓階
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それでは以下の「二酸化炭素消火器」に関する消防設備士試験の過去問にチャレンジして、これまでの内容が頭に入っているかを確認しましょう!
消防設備士試験の過去問(構造・機能)
二酸化炭素消火器について、誤っているものは次のうちどれか。
蓄圧式消火器でも、二酸化炭素消火器とハロン1301消火器には指示圧力計は付いていません。
二酸化炭素消火器の構造または機能について、誤っているものは次のうちどれか。
二酸化炭素消火器は本体容器が“高圧ガス容器”なので、高圧ガス保安法に準ずる“容器検査”に合格したものを使用している。
その上で、次に消火器としての検査に合格して初めて“二酸化炭素消火器”として認められている。
(2)二酸化炭素の高圧ガス容器は“1/2(50%)以上が緑色”と高圧ガス保安法で定められており、消火器の本体容器は“25%(1/4)以上が赤色”と消防法で定められているので、その2つを合わせた条件で塗られている。
(4)日本産業規格(JIS)で定める液化二酸化炭素の2種は純度99.5%・水分0.012v%以下のもの、3種は純度99.9%・水分0.005v%以下のものをいうが、消火器メーカーの二酸化炭素消火器部門に務める予定がないなら“JISの2種と3種 ”だけでも覚えて帰ってください。
二酸化炭素消火器の構造と機能について、誤っているものは次のうちどれか。
(1)二酸化炭素消火器に充填されている消火薬剤の測定は重量で測定する。
(2)二酸化炭素ガスを圧縮した液化炭酸ガスは温度が上昇すると著しく容器内圧が上がり破裂事故につながるので使用温度範囲の上限(40℃)を越える高温の場所に設置してはならない。
もし何かしらの事情で容器内圧が異常上昇した場合の容器破裂防止のため(3)の安全弁の取り付けが必要とされている。
※ちなみに安全弁が作動すると消火剤は全て放出されるので、安全栓の交換及び薬剤の再充てんが必要となる。
二酸化炭素消火器について、誤っているものは次のうちどれか。
(1)重量で測定する。
(2)使用温度範囲の上限(40℃)を越えるような場所を避ける。
(3)二酸化炭素ガスは空気中濃度が高くなると人体に有害なので地階や無窓階などの換気の悪い場所での使用は出来ない。
(4)二酸化炭素の高圧ガス容器には封板式の安全弁が使われている。
二酸化炭素消火器を使用・設置する上での注意事項で、誤っているものは次のうちどれか。
(1)◯ 二酸化炭素消火器の消火薬剤である二酸化炭素は空気中にごくありふれた物質ですが、濃度が高いと猛毒です。
最悪の場合は二酸化炭素中毒で死に至る為、高濃度の二酸化炭素は吸ってはいけません。
(2)〇二酸化炭素消火器の使用温度範囲は 0℃以上40℃以下である為、著しく高温(40℃超)の場所への設置には適さない。
(3)◯ 二酸化炭素消火器は換気について有効な開口部の面積が床面積の30 分の1以下で、その床面積が 20㎡以下の居室・地階又は無窓階には設置が禁止されている。
(4)× 二酸化炭素消火器は、蓄圧式ではあるが指示圧力計は設けられていない。ガス量の点検は圧力計ではなく、総質量を秤量して消火薬剤量が許容範囲内にあるかどうかにより確認する。
二酸化炭素消火器を使用・設置するうえでの注意事項として、誤っているものは次のうちどれか。
(1)空気中の酸素濃度を二酸化炭素により希釈(薄める)して消火する窒息作用は、人体の生命活動に必要な酸素濃度も同時に下げるため換気の悪い場所では使用できません。
(2)一酸化炭素は有害であるが、二酸化炭素を熱分解して発生するわけではありません。
(3)『二酸化炭素消火器に限らず、どの消火器を使っても消火後には窓を開けたりして換気するだろうから正しい』といった理解ではなく(1)のような理由で『部屋の中の酸素濃度が下がっているので換気をはかる』と理解しておきましょう。
(4)一般的な二酸化炭素消火器の使用温度範囲は−30℃〜+40℃なので−40℃の冷蔵倉庫では使用できません。
二酸化炭素消火器の設置上の注意事項として、誤っているものは次のうちどれか。
(1)(3)二酸化炭素消火器に限らず他の消火器にもいえる。
(2)二酸化炭素消火器には二酸化炭素の化学式の“CO₂”の刻印、本体容器の質量(薬剤や容器弁等の付属品は含まない)は“W”に続く数値で表示されていて、単位はkg(キログラム)。
(4)二酸化炭素消火器はA火災には適応していない。
二酸化炭素消火器について、正しいものは次のうちどれか。
二酸化炭素消火器の容器の肩部に刻印されている「W」の記号の意味として、正しいものは次のうちどれか。
二酸化炭素消火器の本体容器は高圧ガス保安法が適用される高圧ガス容器である。高圧ガス容器の肩部には色々な情報が刻印で表示されています。
高圧ガス容器に示されている数値は充てんされている薬剤(ガス)や容器弁などを含まない、容器本体だけの質量(重量)で、単位はkg(キログラム)です。
消防設備士「過去問テスト」は、その名の通り“過去に出た問題” のテストであり、ブログでお馴染みの管理人が過去問に関する情報収集を積み重ね、その中からピックアップして過去問ベースの模擬試験を作成したものです。
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