【過去問】消火器具の整備方法|消防設備士乙6【消火器の点検・整備】

消火器の点検・整備については、総務省消防庁によって作成・公開されている「消火器具点検要領」を基準に実施します。

つまり「消火器具点検要領」の原文を読めばエェって話な。
乙6だけじゃなく、消防設備士の行動基準は消防法に定められてます。
とある消防設備士OBが「消火器具点検要領」を音読した動画も用意してくれたので、これを原文を見ながら再生すると覚えやすいかも。

 

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管理人は、消防法に基づく「消防設備士」および「危険物取扱者」の免状を、共に ❝全類❞ 取得しています。

以下の消火器の整備に関する記述にサッと目を通した後、過去問にチャレンジしてみて下さい。

加圧方式の区分による整備の順序

1 加圧式の消火器(化学泡消火器以外)

(1) 排圧栓のあるものは開き、容器内圧を完全に排出する。

(2)キャップを外し、加圧用ガス容器等を取り出す。

(3)消火薬剤を別の容器(ポリバケツや、ポリ袋等)に移す。

(4)エアーブロー等にて本体容器の内外を清掃し、本体容器内面及び外面に腐食又は防錆材料の脱落等がないかを確認する。

(5)ホース、加圧用ガス容器を取り外し、安全栓を引き抜く。

(6)粉上り防止用封板を取り外す。

(7)本体容器内を水道水で満水にし、レバーを握ったままの状態で、キャップを締める。

(8)ホース接続部に耐圧試験用接続金具を加圧中に外れることのないよう確実に接続する。

(9)保護枠等を消火器にかぶせ、耐圧試験機を接続する。

(10)耐圧試験機を作動させ、各締め付け部及び接続部からの漏れがないことを確認しながら本体容器に表示された耐圧試験圧力値 (「消火器の技術上の規格を定める省令」第12条第1項第一号に規定する試験に用いた圧力値。以下「所定の水圧」という。)まで、急激な昇圧を避け、圧力計で確認しながら徐々に昇圧する。

(11)所定の水圧を5分間かけて、変形、損傷又は漏れのないことを確認する。

(12)耐圧試験機の排圧栓から水圧を排除し、圧力計の指針が「0」になったのを確認してから本体容器内の水を排水する。

(13)本体容器等の水分をウエス又はエアーブロー等で除去する。

※ 粉末消火薬剤にあっては水分が禁物であるので、乾燥炉等で十分に乾燥させ、本体容器内・サイホン管内・ガス導入管及び キャップ部分等に水分がないことを十分に確認すること。

(14)本体容器等に水分がないことを確認した後、部品等の組付け、消火薬剤の充填等を行う。

2 加圧式の消火器(化学泡消火器)

(1)キャップを外し、内筒を取り出す。

(2)消火薬剤を別の容器(A剤、B剤をそれぞれ別のポリバケツ等)に移す。

(3)本体容器の内外を水洗いし、本体容器内面及び外面に腐食又は防錆材料の脱落等がないかを確認する。

(4)ホースを取り外す。

(5)本体容器内を水道水で満水にし、キャップを締める。

(6)ホース接続部に耐圧試験用接続金具を加圧中に外れることのないよう確実に接続する。

(7)保護枠等を消火器にかぶせ、耐圧試験機を接続する。

(8)耐圧試験機を作動させ、各締め付け部及び接続部からの漏れがないことを確認しながら所定の水圧まで、急激な昇圧を避け、圧力計で確認しながら徐々に昇圧する。

(9)所定の水圧を5分間かけて、変形、損傷又は漏れのないことを確認する。

(10)耐圧試験機の排圧栓から水圧を排除し、圧力計の指針が「0」になったのを確認してから本体容器内の水を排水する。

(11)本体容器等の水分を、ウエス又はエアーブロー等で除去する。

(12)本体容器等に水分がないことを確認した後、部品等の組み付け、消火薬剤の充填等を行う。

3 蓄圧式の消火器

(1)指示圧力計の指針を確認する。

(2)排圧栓のあるものは開き、ないものは容器をさかさにしてレバーを徐々に握り、容器内圧を完全に排出する。(この時に指示圧力計の指針が円滑に作動するのを確認する)

(3)指示圧力計の指針が「0」になったのを確認してから、キャップを外す。

(4)消火薬剤を別の容器(ポリバケツや、ポリ袋等)に移す。

(5)エアーブロー等にて本体容器の内外を清掃し、本体容器内面及び外面に腐食又は防錆材料の脱落等がないかを確認する。

(6)ホースを取り外す。

(7)本体容器内を水道水で満水にし、レバーを握ったままの状態で、キャップを締める。

(8)ホース接続部に耐圧試験用接続金具を加圧中に外れることのないよう確実に接続する。

(9)保護枠等を消火器にかぶせ、耐圧試験機を接続する。

(10)耐圧試験機を作動させ、各締め付け部及び接続部からの漏れがないことを確認しながら所定の水圧まで、急激な昇圧を避け、圧力計で確認しながら徐々に昇圧する。

(11)所定の水圧を5分間かけて、変形、損傷又は漏れのないことを確認する。

(12)耐圧試験機の排圧栓から水圧を排除し、圧力計の指針が「0」になったのを確認してから本体容器内の水を排水する。

(13)本体容器等の水分をウエス又はエアーブロー等で除去する。

※ 粉末消火薬剤にあっては水分が禁物であるので、乾燥炉等で十分に乾燥させ、本体容器内・サイホン管内・ガス導入管および キャップ部分等に水分がないことを十分に確認すること。

(14)本体容器等に水分がないことを確認した後、部品等の組付け、消火薬剤の充填等を行う。

本体容器

所定の水圧をかけた場合において、変形、損傷又は漏水等がないこと。

キャップ

所定の水圧をかけた場合において、変形、損傷又は漏水等がないこと。

将棋で2手3手、先を読んで指す『先読み』というのがあり、これと似た感じで職場においてもKYT(危険予知訓練)があります。
とある行動について「どんな危険が潜んでいるか?」と予知できるか、どうかって話。
例えば消火器のキャップを開けるときにキャップスパナがしっかり掛かっておらず空滑りした経験は「消火器の整備あるある」でしょう。
これを「あるある」で済ませるのではなく、もし滑ったら手を壁などにぶつけないようにする等の予防が大切。

また、分解や組み立てのプロセスが複雑になってくると作業のやり忘れが発生しやすくなる為、確認する癖をつけておきましょう。

具体例

例:複数の蓄圧式消火器の排圧作業をA君が担当し、キャップを開ける作業をB君が担当した場合。

Bは排圧された消火器だと思いキャップを開けたら、思いっきりガスが吹き出す。

A:『排圧済みは、こちら側って言ったじゃないですか!』

B:『おー、そうだった。テヘペロ♪』

A・B:『うふふあはは~🌹』

‥って頭お花畑な物語で済めばいいですけど、実際は修羅場になるでしょう。

このような場合、B君は排圧されている確信があっても、作業前に指示圧力計が「0」であることを、今一度確認すれば防げます。

実務では消火器の構造だけでなく、作業場の状況や共同作業者の性格まで、あらゆることを考慮して取り組みます。

それでは以下の消火器の「整備」に関する消防設備士試験の過去問にチャレンジして、これまでの内容が頭に入っているかを確認しましょう!

消防設備士試験の過去問(点検・整備)

Q質問

蓄圧式消火器の気密試験について、適当でないものは次のうちどれか。

A回答

気密試験は本体容器内部が加圧された状態で水中に浸して、消火器容器から圧が漏れていないかを確認する試験です。

炭酸飲料のペットボトルを激しく振りボトルがパンパンの状態にして漏れを確認するような感じ。

(1)の場合だと、容器内部と外部の圧力差が無いので何処かに隙間や穴があっても水が噴き出さず漏れを確認できない。

(2)充てん作業中は圧力調整器の二次側と本体容器内部は空間が繋がっている。
従って、消火器のバルブを閉じるまでは圧力調整器の二次側圧力計が示す値は消火器本体容器内部の圧力を示している。
なので、圧力を充てんし消火器のバルブを閉めずに放置しておいて二次側圧力計の値が下がっていくなら、どこかで漏れが生じている。
しかし、このままでは圧力調整器から消火器のバルブの間に漏れがあっても区別がつかない為、値が下がらなければ合格と判断できるが、下がった場合は他の方法で正確な原因を探る必要がある。

(3)例えばパッキンの材質のゴムは年数が経つと経年劣化で硬化していきヒビ割れ等が生じる。
気密試験の結果パッキンから漏れがあるとして、新品のパッキンに変えたので大丈夫かと思えば、実はそのパッキンを購入したのが随分前で、既に経年劣化によりヒビ割れていた場合、そこからまた漏れてしまうといった事が考えられるので再度気密試験を行う必要がある。

(4)容器内部が圧縮空気や窒素ガスで加圧された状態で水槽に浸漬(しんし:液体にひたすこと)すると、漏れがあった場合、気泡がプクプクと出てくる為、目視で確認できる。

Q質問

蓄圧式消火器の分解について、誤っているものは次のうちどれか。

A回答

「蓄圧式消火器の分解の手順」

①固定‥本体を専用の固定金具(クランプ台)の固定する。

②排圧‥排圧栓のあるものは、排圧栓を開け徐々に排圧する。排圧栓のないものは、固定に先立ち本体を逆さまにしてレバーを握って排圧する。

③キャップの取り外し‥専用のスパナ(キャップスパナ)を用いてキャップを徐々に緩めて取り外す。

④バルブ・レバーの取り外し‥キャップを完全に緩めたところで、キャップ及びバルブ・レバーを本体容器から取り外す。

したがって(2)の「排圧栓のないものは、キャップをあける。」が誤りである。

使用済みの消火器においてもガスが完全に放出されずに残っていることがある。

残圧による破裂・部品の飛び散り等の事故を防止する為、キャップを外す際は必ず排圧作業を行わなければならない。

Q質問

消火器使用後の消火薬剤の充てん等について、誤っているものは次のうちどれか。

A回答

(1)化学泡消火器の薬剤はメーカーから届いた状態ではA剤、B剤とも粉末で、充てん時に水道水でそれらを溶かした水溶液にしてから内筒・外筒に充てんするが、その際はポリバケツ等の別の容器で攪拌を行うこと。

消火器内で薬剤を溶かしてはいけない理由は以下の通りです。

  1. しっかり混ざらない
  2. 攪拌の動作で容器内部に傷がつく
  3. 中身が見えにくいので『あ、水が多かった』等の失敗を招きやすい

(2)粉末消火薬剤は水分により固化してしまうため、容器内に湿気が無いようにしなければなりません。

空気には通常、湿気を含んでおり、除湿していない圧縮空気には当然湿気が含まれているため本体容器等の清掃には不向きです。

(4)安全栓は加圧用ガスを取り付ける前にセットしないと、作業中にうっかりガスを放出してしまう可能性があります。

Q質問

消火薬剤の充てん上の注意事項として、最も不適当なものは次のうちどれか。

A回答

人間って誰でもうっかりしちゃうので、(2)の順番で行うと加圧用ガス容器を付けた時から安全栓を付ける間にうっかりレバーを握ってしまう危険性があるのでNG。

(4)化学泡消火器ポリバケツ等で良く撹拌して、水溶液にしてから容器に補充します。

Q質問

次の文は全量放射しなかったある消火器の使用後の整備の一部について説明したものであるが、この説明から考えられる消火器の名称として、正しいものはどれか。

「消火器を逆さにし、残圧を放出して乾燥した圧縮空気等によりホースおよびノズルをクリーニングした。」

A回答

逆さにして残圧を放出するのは「二酸化炭素消火器、ハロゲン化物消火器を除く」蓄圧式消火器なので(1)(2)は該当しません。

また、乾燥した圧縮空気でクリーニングをしているので、湿気が禁物の粉末消火薬剤とわかるので(4)が正しいです。

Q質問

消火器の加圧用ガス容器について、最も不適当なものは次のうちどれか。

Q質問

消火器の点検整備に関する注意事項として、誤っているものは次のうちどれか。

A回答

(1)排圧栓があるものは、開けて排出。無いものはキャップを少し緩めると減圧孔や減圧溝から排圧されるので、完全に排圧されてからキャップを開けること。

(2)タガネやマイナスドライバーとかで叩いて開けるのは、キャップが割れたり、口金に傷が入ったりするので禁止。

(3)合成樹脂に有機溶剤は樹脂が溶ける為、使用厳禁!

Q質問

消火器の点検整備に関する注意事項として、誤っているものは次のうちどれか。

A回答

(1)キャップの開閉は本体容器をクランプ台にてしっかり固定し、キャップスパナを使います。

(2)高圧ガス容器への充てんは高圧ガス保安法に基づく許可を受けた専門業者しかできません。(※特類の消防設備士では無理!)

(3)粉末消火薬剤は湿気により固化するので薬剤が触れる部分を整備など行う際は、除湿した圧縮空気か窒素ガスを使う。

(ハロゲン化物消火器の薬剤も水分が禁物とされていますが、内部および機能の点検が免除されている為、乙種6類の消防設備士が内部の整備などをすることは無いです。)

(4)点検・整備のために消火器を持ち去っている間に火災が起こる可能性がある為、必ず代替の消火器を設置すること。

Q質問

加圧式の消火器の点検結果に不良内容があった場合の対処方法について、最も不適当なものは次のうちどれか。

A回答

(3)加圧用ガス容器への充てんは専門業者しか行えません。

作動封板式の加圧用ガス容器は穴を開けて使用する為、再充てんでは無く、交換で対応のみ対応可能です。

Q質問

加圧式の粉末消火器の点検、整備等について、最も不適当なものは次のうちどれか。

A回答

(2)放射機構が開放式のノズル栓が破損すると、サイホン管の粉上り防止封板まで外気と通ずるようになり、さらに粉上り封板が破損していると外部からの湿気等が侵入して消火薬剤が固化している可能性があるので薬剤の状態確認が必要です。

(3)なぜ固化したのかの、その原因究明も忘れずに!

(4)危険なので訓練でも使用してはなりません。

Q質問

消火器の点検または整備について、正しいものは次のうちどれか。

A回答

(2)ポリカーボネート樹脂は溶けちゃう素材なので有機溶剤(シンナーやベンジン等)の使用はNG。

記号シンナーやベンジンは汚れを溶かしてくれるのでキレイになりやすいが、物によっては素材も溶かすので注意が必要です。

(3)蓄圧式粉末消火器の蓄圧ガスは窒素ガス一択です(他の薬剤には圧縮空気も使える)。

加圧用ガスは二酸化炭素や窒素ガス、またはそれらの混合ガスが使用されます。

充てん量の測定は二酸化炭素が質量で、窒素ガスは圧力で測るのが一般的です。

Q質問

消火器の点検・整備等について、最も不適切なものは次のうちどれか。

A回答

(1)軽い腐食の場合は紙やすりで腐食部分を除去した後、同種の塗料で塗装すれば良いが、深く腐食している場合その部分の板厚が薄くなっており耐圧性能に疑問が生じるため、廃棄する。

(2)合成樹脂(プラスチック)製のものに、有機溶剤や中性洗剤を使ってはいけない。

(3)安全栓を装着することでレバーを握っても動かないことを確認、安全栓を取ったらレバーを握ることができる。これを消火器の整備時に確認します。

Q質問

蓄圧式消火器の整備の方法で、正しいものは次のうちどれか。

A回答

(1)ホースとノズルが一体的に組み込まれているものは、ノズルだけ・ホースだけの交換ができず、一体で交換するので誤り。

(2)本体容器内の薬剤の性状が正常なら、追加して質量、容量を規定量に合わせられます。

(3)レバーの作動確認すれば、バルブが開閉するの為、消火薬剤が放射するので、正しい。

(4)使用圧力範囲は緑色範囲の下限と上限に数値で表示されていて、圧力検知部(ブルドン管)の材質記号は表示されているが、蓄圧ガスの種類は表示されていません。

また取り替える際は特に圧力検知部の材質(水系にはSUSのみ適応)に注意しましょう。

Q質問

化学泡消火器の整備について、誤っているものは次のうちどれか。

A回答

(1)正しい。変色や異臭に気づくためには正常な状態を知る必要があるので、もし化学泡消火器の詰め替え作業(激レア)をするタイミングが周囲であれば一度立ち合ってみて下さい。

(2)化学泡消火器は内部及び機能点検も薬剤詰め替えも1年に一回なので、薬剤に異常が有っても無くてもどのみち詰め替えを行うが、異常があった場合は要因を考察し対処するのが大事。

(3)水溶液を作る時は薬剤に水を入れるのではなく、水に薬剤を入れます。(※同じようですが違うので注意!)

(4)点検した時は正常でも、一年以内にダメになりそうだと判断できたなら交換しておきます。

迷わずに回答できましたか?
もし、まだ自信がないのであれば繰り返し「過去問テスト」等を使って類題を解くことをオススメします!

消防設備士「過去問テスト」とは

消防設備士「過去問テスト」は、その名の通り“過去に出た問題” のテストであり、ブログでお馴染みの管理人が過去問に関する情報収集を積み重ね、その中からピックアップして過去問ベースの模擬試験を作成したものです。

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