【過去問】加圧用ガス容器|消防設備士乙種6類【消火器の構造・機能】



一昔前に主流であった加圧式粉末消火器については、加圧用ガス容器って小さいボンベが中に入ってましたよ。

これから消防設備士の試験を受ける方、既に消防設備士の免状を取得して業務に従事されている方も今一度、確認しておきましょう!
目次
ブログ著者の紹介
管理人は消防法に基づく消防設備士および危険物取扱者の免状を共に全類取得している為、消火器の構造・機能もミミックのメラゾーマくらいマスターしています。
加圧用ガス容器は、加圧式消火器を放射するためのエネルギー源です。
消火器の加圧用ガス容器とは
消火器の加圧用ガス容器とは、消火薬剤を放出するための圧縮気体の入ったボンベのことです。

消火器の加圧用ガス容器には、以下の2種類があります。
- 容器に収められているガスの容積が100㎤以下のもの
- 容器に収められているガスの容積が100㎤を超えるもの
ガスの容積が100㎤を超えるもののみ、高圧ガス保安法が適用されます。
加圧用ガスの種類
加圧用ガス容器に圧縮されているガスには「二酸化炭素ガス」と「窒素ガス」があります。
- 二酸化炭素ガス
- 窒素ガス
二酸化炭素ガス、窒素ガス共に100㎤以下のガス容器の外面には亜鉛メッキ仕上げが施されています。
高圧ガス保安法で指定されたボンベ塗色
100㎤を超えるものは、高圧ガス保安法で指定されている塗色にしなければなりません。
| 高圧ガスの種類 | 塗色の区分 |
| 酸素ガス | 黒色 |
| 水素ガス | 赤色 |
| 液化炭酸ガス | 緑色 |
| 液化アンモニア | 白色 |
| 液化塩素 | 黄色 |
| アセチレンガス | 褐色 |
| その他の種類の高圧ガス | ねずみ色 |
【消火器の規格】消火器の色は25%以上を赤に!乙種6類【過去問】
加圧用ガス容器の破裂防止装置
加圧用ガス容器の破裂防止装置には、以下の2種類の方式があります。
- 作動封板式
- 容器弁式
比較的小容量のものは作動封板式のものが使われており、大型のものには容器弁式が使われています。
ガス容器の内圧が異常に上昇した際、高圧ガス容器自体の破裂を防ぐため容器弁式は安全弁(安全装置)が開放されて排圧されます。
第5 不活性ガス消火設備(全域放出方式の二酸化炭素消火設備)太田市消防本部
一方、作動封板式は作動封板自体が破壊され排圧される仕組みであり、それ自体が安全弁の役割も担っています。
加圧式消火器を使用した後の加圧用ガス容器を確認すると、作動封板に穴が開いているのが分かります。
加圧用ガス容器の刻印
ガス容器の情報は肩部等に内容積や容器重量、充填圧力等が刻印により表示されています。

実際に消火に使用したり点検等でガスを放出し、再度充てん済みのガス容器を装着します。
100㎤以下の加圧用ガス容器の交換方法
100㎤以下のものは定められた容器記号(ネジ形状とガスの質量を記号化したもの)と同じものを用いて交換します。

- V[Volume:容積]=内容積(ℓ)
- W[Weight:重さ]=容器重量(㎏)(容器単体の重量で容器弁等は含まない)
- TW[Total Weight:総重量]=容器、ガス、容器弁等を含む総重量(㎏)※100㎤以下のものは(g)
- TP[Test Pressure:試験圧力]=耐圧試験圧力(MPa)
- FP[Filling Pressure:充填圧力]=最高充填許可圧力(MPa)
- CO₂[二酸化炭素の化学式]=液化炭酸ガス(容器塗色の緑色でも判断出来る)
- N₂[窒素の化学式]=窒素ガス(容器塗色のねずみ色は窒素ガス以外にも使用されているので注意)
【過去問3回分】消防設備士乙6の実技試験に出た過去問を徹底解説!
100㎤を超える加圧用ガス容器は再充てん!
100㎤を超える容器の場合は専門の業者に依頼し、ガスを充填してもらう必要があります。



それでは以下の「加圧用ガス容器」に関する消防設備士試験の過去問にチャレンジして、これまでの内容が頭に入っているかを確認しましょう!
消防設備士試験の過去問(構造・機能)
消火器の加圧用ガス容器について、最も不適当なものは次のうちどれか。
(3)「窒素ガス」や「二酸化炭素と窒素の混合ガス」もあります。
加圧式の消火器に用いる加圧用ガス容器について、正しいものは次のうちどれか。
加圧式の消火器の加圧用ガス容器に関する記述のうち、正しいものの組み合せはどれか。
ア.加圧用ガス容器を交換する場合、作動封板を有するものは、消火器銘板に明示されている容器記号のものと取り替える。
イ.加圧用ガス容器を交換する場合、容器弁付きのものは、専門業者に依頼してガスを充てんする。
ウ.作動封板を有するものは、その容量にかかわらず高圧ガス保安法の適用を受ける。
高圧ガス保安法が適用されるか否かは、内容積が100㎤以下か100㎤を超えるかで判断されます。
作動封板の有無と、高圧ガス保安法が適用されるかは無関係です。
内容積100㎤以下の加圧用ガス容器について、誤っているものは次のうちどれか。
高圧ガス容器は事故が起こると危険なので基本的に高圧ガス保安法により厳しく管理されています。
しかし小容量(100㎤以下)のものは、特別に除外されている格好です。
問題文で内容積100㎤以下となっているので、この容器に高圧ガス保安法は適用されません。
高圧ガス保安法の適用を受ける本体容器又は加圧用ガス容器を使用しなければならない場合がある消火器は、次のうちどれか。
(1)薬剤が20Kg以上だと余裕で内容積100㎤を越える為、高圧ガス保安法が適用される加圧用ガス容器を使用することになります。
(2)(3)(4)は最大充塡圧力が0.98MPaなので、高圧ガス容器の定義の“1MPa以上の圧縮ガスなどを充塡しているもの”に適合しません。
消火器及び消火器の部品として使用されている高圧ガス容器に関する説明として、誤っているものは次のうちどれか。
内容積100㎤以下の高圧ガス容器は高圧ガス保安法の適用を除外されますが、二酸化炭素消火器でそんな小容積な本体容器のものは無いので(1)の通り。
(4)窒素ガスが充填された内容積100㎤を超える高圧ガス容器は1/2以上をねずみ色で塗装しなければならない。緑色は二酸化炭素(液化炭酸ガス)。
内容積100㎤以下の加圧用ガス容器について、誤っているものは次のうちどれか。
(4)設問の「内容積100㎤以下」の加圧用ガス容器の外面は、「亜鉛メッキ」です。
内容積が100㎤を超える加圧用ガス容器について、誤っているものは次のうちどれか。
W[Weight:重さ]は、充填ガスのことではなく、容器の重量のことで単位は㎏です。
※主な刻印の意味。
- V[Volume:容積]=内容積(ℓ)
- W[Weight:重さ]=容器重量(㎏)(容器単体の重量で容器弁等は含まない)
- TW[Total Weight:総重量]=容器、ガス、容器弁等を含む総重量(㎏)※100㎤以下のものは(g)
- TP[Test Pressure:試験圧力]=耐圧試験圧力(MPa)
- FP[Filling Pressure:充填圧力]=最高充填許可圧力(MPa)
- CO₂[二酸化炭素の化学式]=液化炭酸ガス(容器塗色の緑色でも判断出来る)
- N₂[窒素の化学式]=窒素ガス(容器塗色のねずみ色は窒素ガス以外にも使用されているので注意)
二酸化炭素ガスと窒素ガスの共通的性質として、正しい組合せは次のうちどれか。
A:無色無臭である
B:空気より重い
C:電気絶縁性がある
D:水に溶けやすい
比較は下表参照
| 二酸化炭素ガス | 窒素ガス | ||
| 1 | 無色無臭 | ◯ | ◯ |
| 2 | 空気比重 | 重い | 軽い |
| 3 | 電気絶縁性 | ある | ある |
| 4 | 水溶性 | 水に溶けやすい | 水に溶けにくい |


消防設備士「過去問テスト」は、その名の通り“過去に出た問題” のテストであり、ブログでお馴染みの管理人が過去問に関する情報収集を積み重ね、その中からピックアップして過去問ベースの模擬試験を作成したものです。
上記以外に新傾向問題の情報など提供あり次第、随時追記して解説を更新していきます。
その他、質問など御座いましたらボちゃんねる(掲示板)へ投稿、もしくはLINEオープンチャット「消防設備士Web勉強会」上でご連絡下さいませ。
まとめ
- 消火器の加圧用ガス容器とは、消火薬剤を放出するための圧縮気体の入ったボンベのこと。
- 容器に収められているガスの容積が100㎤以下のものと容器に収められているガスの容積が100㎤を超えるものがあり、ガスの容積が100㎤を超えるもののみ、高圧ガス保安法が適用された。
- 二酸化炭素ガス・窒素ガス共に100㎤以下のガス容器の外面には亜鉛メッキ仕上げが施されていた










